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NECなど3社、ローカル5Gを活用して自動運転レベル4を支援する通信システムの検証を茨城県日立市で実施

 日本電気株式会社(以下、NEC)、株式会社みちのりホールディングス、株式会社ティアフォーの3社は21日、総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」の実証団体として選定されたと発表した。これに基づき、茨城県日立市で、自動運転移動サービスの実現に必要な通信システムの要件に関する検証を12月に開始する。

 検証では、狭い道路環境における自動運転の安全走行と、遠隔監視に使用する映像配信の継続性の向上を目指した実証実験を実施する。実施時期は2024年12月上旬から下旬にかけての約1カ月間。

 自動運転レベル4による走行時には、歩行者と自車の間で安全な距離を確保することが重要となる。そこで、通勤時に多くの歩行者が利用する狭い交差点において、高度な通信システムを用いて自動運転の安全性向上を目指した実験を行う。

 具体的には、通信システムに低遅延かつ安定的な通信が可能なローカル5Gを使用し、自動運転バスから路側のスピーカーに対して、自車の右折動作と連動した発音を指示することで、歩行者に向けて的確に注意喚起する。合わせて、路側のインフラシステムから自動運転バスに対して、車道へ立ち入る歩行者や遠方から接近する対向車などの物標情報を通知することで、自動運転バスの物体認識を支援する。

実証実験のイメージ図

 また、自動運転レベル4の走行時には遠隔による常時監視が不可欠で、その際に映像伝送の継続性と高い映像品質の維持が重要になる。そこで、携帯電話網の混雑が予想される状況下において、高度な映像圧縮技術を用いた場合の映像伝送の継続性と映像品質について検証する。

 具体的には、特に数千人規模の工場が隣接する走行区間において、通信速度を予測する技術を用いて、携帯電話網の通信速度の低下を予測し、それに合わせて映像の圧縮率を事前に変更する。また、遠隔監視業務において注目すべき映像内の領域を自動で検出し、それ以外の領域の圧縮率を高めることで映像伝送量を削減する、学習型メディア送信制御技術を活用する。携帯電話網の通信品質に応じて適切な映像圧縮を行うことで、映像伝送の継続性向上と映像品質の維持を目指す。

実証実験のイメージ図