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Sansan、契約業務をオンラインで完結する新サービス「Contract One」を発表

2022年5月期第2四半期決算の概要も説明

 Sansan株式会社は13日、2022年5月期第2四半期決算の概要、および同日から正式提供を開始するクラウド契約業務サービス「Contract One(コントラクトワン)」に関するメディア向け発表会をオンラインで開催した。

 同社の2022年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比25.4%増の95億7700万円、営業利益は前年同期から8億2000万円減少して1億3000万円の赤字、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比47.8%増の5億7300円となった。セグメント別の売上高は、Sansan/Bill One事業が前年同期比23.8%増の85億4800万円、Eight事業が同33.0%増の9億7600円。

2022年5月期第2四半期連結実績の概況

 第2四半期の決算概況について、Sansan 取締役/CFOの橋本宗之氏は、「通期の業績目標に対して、売上高は順調に推移している。営業利益は大幅な減益となったが、中長期的な成長実現に向けた人材採用や広告宣伝活動を推進したもので、当初計画通りの実績となる。セグメント別では、Sansan/Bill One事業、Eight事業ともに好調で、特にクラウド請求書受領サービス『Bill One』は、MRR(月次固定収入)が前年同期比1131.4%増の6100万円、有料契約件数は前年同期末比677.0%増の575件と急成長した。2022年5月末には、ARR(年間固定収入)で10億円以上、有料契約件数は1000件を目指す」と説明した。

Sansan 取締役/CFOの橋本宗之氏

クラウド契約業務サービス「Contract One」を正式提供開始

 次に、13日から正式提供を開始するクラウド契約業務サービス「Contract One」の概要について発表した。「Contract One」は、同社が培ってきた、アナログ媒体を正確にデータ化する技術を基に、紙の契約書をクラウドで受領・電子保存し、一元管理を実現するサービス。また、契約書の製本から押印・郵送業務の代行まで行い、あらゆる形式の契約業務をオンライン上で完結可能となる。昨年7月にプレローンチし、すでに45社が先行導入しているという。

「Contract One」のサービス概要

 Sansan 代表取締役社長/CEOの寺田親弘氏は、「Contract One」をリリースする狙いについて、「契約書は企業間取引における最重要書類である一方で、いまだに紙媒体が中心であり、さらにPDFや電子契約書などさまざまなフォーマット形式で担当者に届くため、一元管理が難しい状況となっている。そこで今回、当社では、請求書の次のDX媒体として契約書に着目し、新サービス『Contract One』を開発・提供開始する。同サービスでは、あらゆるフォーマットの契約書を正確にデータ化し、保存・管理する『スマート台帳』と、契約書の製本・押印・郵送作業を代行する『スマート判子』の2つの機能により、企業の契約業務のDXとリスク管理を後押ししていく」と述べた。

Sansan 代表取締役社長/CEOの寺田親弘氏

 「Contract One」の主な機能として、「スマート台帳」では、紙やPDFなどさまざまな方法で届くあらゆる形式の契約書を正確にデータ化し、クラウド上に集約して一元管理することが可能。また、索引機能を備えており、過去の契約書を探す必要がある場合は、契約内容や日付、契約企業名などから該当契約書や類似契約書などをすぐに見つけることができる。さらに、主要電子契約サービスと連携することで、各電子契約で受領した契約書についても、Contract One上での一元管理を可能にしていく。現在、「クラウドサイン」(弁護士ドットコム)、「GMOサイン」(GMOグローバルサイン・ホールディングス)、「DocuSign」(ドキュサイン・ジャパン)、「Adobe Sign」(アドビ)、「jinjerサイン」(jinjer)、「マネーフォワード クラウド契約」(マネーフォワード)、「NINJA SIGN」(サイトビジット)の主要7社の電子契約サービスと連携が決定しているという。

「スマート台帳」の機能概要

 「スマート判子」では、契約書におけるアナログな業務を企業に代わって行う。ユーザー企業は、印鑑(印章)を「Contract One」に預けることで、契約書作成に関わる製本から押印、郵送まですべてオンライン上で指示・実行することが可能となる。契約書を発行する場合は、Contract One上で指示をすると、印刷・製本・押印を代行し、取引先に郵送する。取引先から契約書を受領する場合は、ユーザー企業はオンラインで契約書の受領を確認し押印指示をすると、「Contract One」が押印を代行し、取引先に返送する。

「スマート判子」の機能概要

 「Contract One」の導入メリットについて、Sansan Contract One Unitの松尾佳亮氏は、「紙でもPDFでも契約書の形式に関わらず、本社集約型・部門クロス型・部門完結型などあらゆるパターンの契約業務をオンラインに集約・完結できるため、大幅な業務効率化を図れるとともに、確認漏れや紛失のリスクを軽減できる。また、契約情報を全社でオンライン共有することで、社内における契約状況の確認に要する工数を削減できる。さらに、すべての契約書をクラウド上で一元管理できるため、契約更新漏れや二重契約などによる追加費用の発生といったリスクを防ぐことも可能になる」としている。

Sansan Contract One Unitの松尾佳亮氏

 また、契約業務のDXにより、多様な働き方を実現できることも大きなメリットであると強調。「担当者は、オフィスに出社することなく、クラウド上で契約業務を行うことができるため、リモートワークへの移行やペーパーレス化を推進できる。さらに、過去に結んだ契約書も含め、すべての契約書をクラウド上で管理することで、自然災害などのリスクに備えることも可能となる。有事の際にも、担当者に出社を強いることなく安全を確保した上で、契約業務の停滞を防ぎ、企業の事業継続計画(BCP)体制の構築にも貢献できる」と訴えた。

 「Contract One」の料金体系は、月額10万円から。契約書のデータ化件数に応じて価格が変動する。