海陽学園、構内売店でNECの顔認証決済サービスを採用　マスク着用時でも顔認証による決済を利用可能

　日本電気株式会社（以下、NEC）は22日、愛知県の学校法人海陽学園 海陽中等教育学校（以下、海陽学園）に、「顔認証決済サービス」を提供すると発表した。同校では10月の運用開始を予定している。

　海陽学園は、トヨタ自動車、東海旅客鉄道（JR東海）、中部電力をはじめ、80社以上の企業が賛同して2006年に愛知県蒲郡市に設立された、全寮制の中高一貫校。同校ではトラブル回避の観点から生徒には現金を持たせず、学園内での買い物は決済用ICカードを持たせて運用していたが、独自の決済システムを保持しているため運用維持にかかる負担が大きいこと、また生徒が決済用ICカードを紛失してしまうことなどの課題があり、これらの対策の一環として、2021年に顔認証決済に対応した自動販売機を設置していた。

　今回はさらに、手ぶらで買い物ができるシーンを広げ利便性を向上させること、またより多くの生徒に、最新技術である顔認証を体験させることなどを目的として、生徒・教職員約600名が物品をひんぱんに購入する構内の売店において、NECの顔認証決済サービスを採用した。

　同サービスでは、生徒本人と保護者同意のもとで、生徒の顔写真や、決済とひも付けるプリペイドカードなどの情報を事前にシステムへ登録することにより、顔認証による物品の購入を可能にする。一度登録すれば、売店レジに設置したタブレットで本人認証を行え、商品を購入する際にマスクをしたまま、非接触かつ手ぶらでの快適な決済を行えるとのこと。

顔認証決済サービス導入予定の構内売店

　また購入商品などの情報を登録したメールアドレスへリアルタイムに配信する仕組みにより、安心して利用できるようにしているほか、保護者にもメールが届くため、生徒の学校と寮の生活の様子を知ることができ、離れて生活する家族間のコミュニケーションのきっかけにもなるとしている。

　なお、今回採用された顔認証決済サービスは、パッケージ化による短納期導入に加え、決済金額に応じた従量課金によってコスト最適化を実現しているとのことだ。