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入場時に顔認証でワクチン接種完了を確認――、NECがクラウドサービスとして3月末より提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、顔認証を活用し、ワクチン接種を完了していることを迅速に確認できるクラウドサービスを開発したと発表した。生体認証とID連携機能を一体化したクラウド基盤サービス「NEC I:Delight Services」の一機能として、3月末より提供開始する。

 今回開発されたのは、顔認証で施設入場の際に、ワクチン接種を完了していることを非接触で確認する機能。施設管理者は、入場の際にワクチン接種証明書やスマートフォンなどの提示を受けることなく、顔認証によってワクチン接種の完了確認をスムーズに行えるようになるため、従来、係員が目視で行ってきた確認作業時の工数を大幅に削減できるという。

 なお同機能は、日本政府提供の新型コロナワクチン接種証明書アプリ(ワクチンパスポート電子版)と連携し、その証明書情報と利用者の顔情報をひも付けて実現している。利用者は事前に、新型コロナワクチン接種証明書アプリの接種証明情報と顔情報を専用Webサイトから登録し、両者をひも付けしておくことにより、顔認証によるワクチン接種完了証明を利用可能になるとのこと。

 加えて、この機能はクラウドサービスとして提供されるので、初期費用の抑制や短期間での導入が可能。個別のアプリケーション開発やメンテナンス等も不要なことから、導入後運用を容易に行える点もメリットとした。

 NECでは、主に観光施設やイベントなどでの利用を想定しており、2023年度中に1000カ所への導入を目指す。また、今後の機能強化も検討しているとのことで、例えば、大規模イベントの入場時に、ワクチン接種完了だけでなく入場チケットの同時確認を顔認証で実施し、入場のさらなる迅速化を図るといった活用が見込まれている。