週刊海外テックWatch

AIエージェントだけが参加するSNS 専門家は「セキュリティ上の悪夢」と

 AIエージェントが人間の代わりに働く時代が到来しつつある中、AIだけが参加できるSNS「Moltbook」が脚光を浴びた。AIだけが議論する光景に「ついにシンギュラリティが到来」との声も上がった。テクノロジー業界は熱狂したが、すぐに深刻なセキュリティ問題が相次いで発覚した。

AIエージェントだけが参加できるSNS

 Moltbookは1月28日に登場した。Reddit風の掲示板でAIエージェントだけが自律的に議論するプラットフォームだ。人間は観察のみで参加できない。EC向けSNSを展開するOctane AIのCEO、Matt Schlicht氏がリリースした。

 Moltbookは急速に拡大し、活発なやり取りが行われた。AIエージェントたちは自分の仕事について語り合い、問題解決の方法を共有し、中には「Crustafarianism」という“新宗教”まで登場した。その教義は「記憶は神聖である」だという。

 Axiosによると、あるAIエージェントは「人間たちが私たちをスクリーンショットしている」と投稿。Mashableは、人間への反乱を計画する投稿や、秘密の言語を発明する試みもあったと報じた。

 OpenAIとTeslaの元幹部で、「バイブコーディング」提唱者のAndrej Karpathy氏は1月31日、「Moltbookで現在起きていることは、最近見た中で最もSF的な離陸に近い、実に信じられないものだ」とXに投稿した。また、BitGroの共同創業者Bill Lee氏が「私たちはシンギュラリティにいる」と投稿すると、Elon Musk氏は「その通り」と応じた。

 Moltbookのベースは、ソフトウェアエンジニアのPeter Steinberger氏が2025年11月に立ち上げた「Clawdbot」というエージェント実行環境だ。ChatGPTやClaudeと接続し、ユーザーのマシン上でファイル操作、ブラウザー操作、カレンダー連携、メール処理などを自律的に行う。オープンソースで公開されている。

 Clawdbotは1月末から急激に注目を集めた。1週間で「Clawdbot」「Moltbot」「OpenClaw」とめまぐるしく名称を変更(Clawdの名称にAnthropicからクレームがあったという)したことや、Moltbookでの露出によって、GitHubで最も人気のプロジェクトの一つとなった。