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日立、ハイブリッドクラウド基盤「EverFlex from Hitachi」を発売 透過的で高信頼なデータ連携を支援
2021年10月6日 11:25
株式会社日立製作所(以下、日立)は5日、ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」を発表した。同日より販売を開始する。
日立 サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 統括本部長の島田朗伸氏は、「データに基づいた意思決定を経営に生かすデータドリブン経営が加速している。これを実現するには、さまざまな場所に散財する多様なデータをリアルタイムに利活用しなくてはならないが、多くの企業では企業内システムとクラウド間でのデータ連携に課題を抱えている」と指摘。これからのデータ利活用基盤には、「ハイブリッドクラウド環境における透過的で高信頼なデータ連携が必要だ」と語る。
EverFlex from Hitachiは、こうした課題に対応するソリューションだという。島田氏はEverFlex from Hitachiについて、「As a Service型のクラウドソリューションとして、パブリッククラウドと企業内データセンターとのデータ連携を実現し、企業内システムでのクラウド活用や、企業内システムからクラウドへの移行、さらには企業システムのクラウドネイティブ構築を支援する」としている。
EverFlex from Hitachiの中核となるのが、日立従量課金型データ基盤ソリューションだ。これは、ストレージやサーバー、関連クラウドサービスなどを、従量課金や月額課金などのサブスクリプション形式で、顧客ニーズにあわせて提供するもの。従来は企業内システムのみに適用していたストレージの仮想化機能を、ハイブリッドクラウドに向けても拡張する。
これにより、「機種の異なる複数のストレージやクラウドストレージを、日立のストレージのリソースとして利用できるようになる」と、日立 サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 事業主管の福田裕一氏は説明する。
この基盤を支える製品として日立は、新たにエンタープライズストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)5200および5600」と、ソフトウェアディファインドストレージ(Software-Defined Storage:SDS)の「Hitachi Virtual Storage Software for block(VSS for block)」も同時に発表している。
VSP 5200および5600は、基幹システム向けのエンタープライズストレージだ。アプリケーションを止めることなくデータ移行なしでアップグレードでき、従来の売り切りに加えサブスクリプション型でも提供する。データを効率的に処理することから、データ圧縮時の処理性能が従来より約40%向上しているほか、環境にも配慮した設計となっており、記憶媒体の使用効率を高めることで消費電力を約65%低減、年間の二酸化炭素排出量を約120トン削減できるという。福田氏は、「システム維持の運用負荷が低減でき、投資を保護することから、データの長期利用を支援する」としている。
VSS for blockは、x86サーバー上で稼働するソフトウェアディファインドストレージで、「ミッションクリティカル級の高信頼・高可用データ基盤だ」と福田氏。ノード間でデータを冗長化することで高速な読み出しを実現するほか、x86サーバー×5ノードという最小構成から1ノード単位での拡張が可能で、最大32ノードまで拡張できる。VSPファミリー製品との親和性が高く、VSPからのデータ移行やデータ集約が容易で、今後はクラウドとの連携も計画中だ。
今回のソリューションはグローバル展開を予定しており、「ストレージ事業の核となるよう成長させていきたい」と島田氏。また、As a Service型への需要が高まっていることから、「今後もAs a Service型の製品を拡充していく」としている。