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日立、ハイブリッドクラウド基盤「EverFlex from Hitachi」を強化、AWSへの接続二重化で可用性を向上

 株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」について、ハイブリッドクラウド環境の可用性を向上する強化を行い、サービス提供を開始した。

 サービス強化では、顧客の基幹システムでのクラウド活用促進に向け、日立のストレージとクラウドとの透過的なデータ管理・運用を可能とするとともに、Amazon Web Services(AWS)への接続の二重化により可用性を向上した。

 これは、日立とAWSとの協創による開発・検証で実現したもので、Amazon S3とのデータ管理・運用において単一障害点となる懸念があった、Amazon S3への接続を二重化した。Amazon S3に格納したデータは、バックアップ用途に加え、Amazon EC2からも利用することもできるため、よりクラウドサービスの選択肢が広がり、データ利活用の柔軟性が高まるとしている。

EverFlex from Hitachiの強化ポイント

 また、日立のSDS(Software Defined Storage)「Hitachi Virtual Storage Software Block(以下、VSS Block)」の導入に必要となる、ハードウェア、ソフトウェア、およびサービスをパッケージ化した「VSSスタートパック」を提供。これにより、導入に伴う機器選定や要件定義を最小限にし、利用開始までの期間を短縮できる。VSS Blockは、利用開始後も必要に応じて容量や性能を柔軟に拡張可能で、今後、より多様なシステム間でのデータ連携に向けて、VSS BlockのAWS対応などの強化を行っていくとしている。

 保守・運用面では、日立によるリモート監視・保守でデータ基盤の可用性を向上する「高度予防保守」を提供。顧客のデータ基盤の稼働状況をリアルタイムにリモート監視するとともに、日立が培ってきたハードウェア製品開発のノウハウに基づき、高精度な故障予兆検知を行う。これにより、データ基盤の故障を事前に察知し、メンテナンスを適切なタイミングで提案することで、データ基盤の可用性の向上に貢献する。

 ストレージ製品では、高速なデータアクセスを維持しつつ、高効率な保管を可能としたミッドレンジストレージ「VSP E1090」を提供する。日立独自の高速な重複排除・圧縮技術で、圧縮時の処理性能を従来機に比べ約39%向上するとともに、ストレージ記憶媒体の容量効率も高めることで消費電力を約53%低減できるという。

 環境への取り組み強化としては、ハイブリッドクラウド環境のデータ基盤におけるデータ送受信時などに排出されるCO2排出量を見える化し、経時変化や一定期間の累積排出量を専用ポータルで確認できるようにすることで、顧客の脱炭素施策推進に貢献する。

 製品の価格は個別見積もり。日立では、今後もEverFlex from Hitachiを拡充していくことで、安心・安全に企業内のシステムとクラウド間のデータ連携を実現するとともに、環境負荷を低減していくとしている。