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AWSはパートナーとともに新たな価値を創造する――、AWS Partner Summit Tokyo 2021基調講演レポート

エンジニア育成と企業の内製化支援

 AWS認定資格の取得者数は、2017年から2020年で約6.1倍に増加しているという。日経xTECHが実施したIT資格実態調査でも、2018年から2020年まで3年連続で「取得したい資格ランキング」が1位であり、人気の高い資格と言えるだろう。しかし渡邉氏は、「パートナー企業の資格取得比率は44%と、まだまだ浸透が足りているとは思っていない」と厳しい見方を示している。

AWS認定資格の取得者数は、2017年から2020年で約6.1倍に増加している

 また、日本のIT人材の約72%はITベンダーに在籍しており、逆に米国では65%がユーザー企業に在籍しているという。渡邉氏は「日本においてクラウドを活用するためには、パートナーに在籍するエンジニアのクラウドに関連するスキルを向上させる必要がある。そのためAWSジャパンでは、パートナーのエンジニア育成をトッププライオリティとして、社内にTechnical Enablement部隊をおいて投資を継続してきた」と説明した。

 このTechnical Enablement部隊は2017年に発足しており、パートナーのフィードバックを受けて年々Enablement(改善や最適化するための取り組み)の幅を広げているという。パートナー向けのトレーニングとしては、「アプリケーションエンジニア」「インフラエンジニア」「業界別プリセールスエンジニア」などのラーニングパスが用意されている。

 Technical Enablement部隊は、パートナーが望むトレーニングをヒアリングし、AWS社内のリソースを総動員したトレーニングメニューを提供しているという。例えば業界別プリセールスエンジニア向けのトレーニングでは、金融業界を担当しているAWSのソリューションアーキテクトと連携し、金融業界の動向、よく使われるサービス、お客さまから受ける質問へのロールプレイングなど充実したトレーニングが提供されるとのこと。そのほかにも、昨年好評だったトレーニングプログラムとして、パートナー企業の人事・人材教育部門と連携し、新入社員向けのワークショップなどがあるという。

AWS パートナー向けトレーニングフレームワーク

 もともとAWSのトレーニングは、インフラエンジニア向けのプログラムからスタートしているが、一昨年からはアプリケーションを含めたフルスタックエンジニアの育成にも力を入れている。施策のひとつである「ANGEL(APN Next Generation Engineers Leader)道場」は、疑似プロジェクトを通じて企画(Biz)、作成(Dev)、運用(Ops)までを3か月かけて実施するトレーニングプログラムで、AWSのソリューションアーキテクトがメンターとなるという。また、企画段階においては、AWSが実際にサービスを企画する際に行うワークショップ「Working Backwards」を通じて実践的なトレーニングできるという。

ANGEL(APN Next Generation Engineers Leader)道場

 ビジネスの変化に俊敏に対応するため、システムやアプリケーションの内製化に取り組みたいと考えている企業も増えている。こうした企業に向けても、ANGEL道場を活用し、Biz、Dev、Ops全体のトレーニングを支援するという。また、この取り組みを、AWSジャパンはパートナーと一緒に進めていきたいと考えているという。Biz、Dev、Opsの全体をユーザー企業ですべて賄うことは、少子高齢化による労働人口減少が問題となっている日本企業では難しい。そのため、ユーザー企業はBizの部分を担える人材を最優先で育成し、AWSパートナーに開発や運用の一部を委任したとしても、オーナーシップを持ってプロジェクトを推進していけるようにするのが狙いだとう。

 「開発・運用の人材を雇用することが難しくても、『Biz』の部分でユーザー企業がきちんとオーナーシップを取り、AWSのパートナーと連携していくことが現時点での最適解であり現実解だとAWSは考えている。Bizの部分を担当できる人材の育成が最も重要であり、そのきっかけとしてANGEL道場を活用していただきたい。また、パートナーと一緒に取り組むことで、ユーザー企業とパートナーが共通言語で会話ができる世界を実現したい」(渡邉氏)。

システムやアプリケーションの内製化支援施策

APN Partner Award 2020

 基調講演の最後に、「APN Award Partner 2020」の各賞を受賞した企業が発表された。

・AWS Migration Partner of the Year:日本電気(NEC)
・AWS Digital Workplace Partner of the Year:TOKAIコミュニケーションズ
・AWS Social Impact Partner of the Year:野村総合研究所(NRI)
・AWS Public Sector Partner of the Year:NTTデータ
・AWS ISV Partner of the Year:Works Human Intelligence
・AWS Consulting Partner of the Year:クラスメソッド