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Google Cloud、エンタープライズでの利用事例をアピール
円周率計算の世界記録を更新したシステムの解説も
2019年4月16日 11:57
GoogleのクラウドサービスであるGoogle Cloudのカンファレンス「Google Cloud Next '19」が4月9日から4月11日まで、米国サンフランシスコにて開催された。
Google Cloudは、AWSやMicrosoft Azureに比べるとエンタープライズシステムでの利用で後れをとっている、としばしば言われる。昨年Google CloudのCEOに就任したThomas Kurian氏は、その打開を期待されて就任したとも言われている。
そうした中の今回のGoogle Cloud Next '19では、技術や新サービスと同時に、エンドユーザー企業の産業別ソリューションへの取り組みをアピールしようという意図が明らかだった。基調講演でも、業界ごとに利用企業を紹介し、いくつかの企業から人を招いて話を聞くパートが随所に設けられた。
Google Cloudの産業別ソリューションをアピール
ヘルスケア業界では、PhillipsのAlpna Doshi氏(Group CIO)が登場した。
小売業界の利用企業も紹介され、Colgate-PalmoliveのMike Crowe氏(CIO)が登場した。
金融業界では、ChaseとANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)が加わったことが紹介。JP Morgan CHaseのReggie Chambers氏(Chief Administrative Officer, Chase Consumer Banking)が登場した。
製造業ではUPSやBOSEが加わったことが紹介された。
通信・メディア・エンターテインメント業界では、USA TODAYやViacom、Sprintなどが加わったことが紹介され、ViacomのDavid Kline氏(CTO)が登場した。
公共機関&教育の分野では、アメリカ共通役務庁などが紹介された。
なお、展示会でも、Googleの産業別ソリューションのコーナーが設けられていた。
機械学習によるGoogle Map作成
新発表というわけではないが、基調講演ではGoogle Mapについても語られた。ちょうど日本ではGoogle Mapの変更が話題になったタイミングとなった。
Jen Fitzpatrick氏(SVP, Geo)は、「地図もスマートになる」として、機械学習によって道路やビルの輪郭を抽出するところを示した。また、人が見るだけでなく、自動車やライドシェア、ゲーム業界、旅行などへの応用も紹介された。
円周率計算の世界記録を更新したシステムを解説
GoogleのEmma Haruka Iwao(岩尾はるか)氏が、3月14日に、Google Cloudを使って円周率の世界記録を更新した。ちなみに、初日のSundar Pichai氏の基調講演では、冒頭でその話に触れ、祝福していた。
Developers Keynoteでは、そのIwao氏が登場し、解説やデモを行うコーナーがあった。円周率の世界記録を狙うには、高速なネットワークや大量のストレージが必要になる。GCPであればそうしたリソースが利用できるという。
デモでは、プログラムを実行してからしばらく説明をし、そのあとで結果のファイルをcatコマンドで出力すると、数字が延々と表示され、喝采(かっさい)を浴びた。