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Google Cloud Nextでもっとも注目された「Anthos」とは何か?

NTT Comが企業に向けてサービス提供予定

 GoogleのクラウドサービスであるGoogle Cloudのカンファレンス「Google Cloud Next '19」が4月9日から4月11日まで、米国サンフランシスコにて開催された。

Google Cloud Next '19

もっとも注目された「Anthos」とは何か?

 Google Cloud Next '19で最も注目された発表は、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドのプラットフォーム「Anthos」だろう。Google Kubernetes Engine(GKE)およびそのオンプレミス版のGKE On-Prem、さらには他社のクラウドまでわたってKubernetesクラスタを統合的に管理するプラットフォームだ。

 Google Cloud Next '19会場で開かれた日本のプレス向け説明会でも、Anthosが話題の中心となった。グーグル・クラウド・ジャパンの佐藤聖規氏(カスタマーエンジニア 技術部長)は、Anthosが開発された理由として「ハイブリッドは正しい姿。企業は多数の既存のシステムがあり、すべてクラウドというのは現実的ではないという考え」と説明した。

 Anthosは、2018年に発表された「Cloud Services Platform」をリブランディングしてGA版にしたものだ。佐藤氏によると、Cloud Services Platformはアルファ版の申し込みが数分で満員になるほどの反響を呼んだという。

 さて、Anthosとはどこまでを含むものなのか。GKEやGKE On-Premを管理するツールやサービスのことなのか、GKE On-Premも含むのか、GKEも含むのか。この質問に対して佐藤氏は、それらすべてを含むと回答した。いわく、「GKEを中心とした、コンテナでサービスするところに必要なプロダクトの集合体」だという。

 オンプレミスを含むハイブリッドクラウドプラットフォームであるため、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)や、ネットワークセキュリティ、ユーザー企業のシステム構築など、さまざまな分野のパートナーとエコシステムを組むことができる。

グーグル・クラウド・ジャパンの佐藤聖規氏(カスタマーエンジニア 技術部長)
Anthosのパートナーエコシステム

 グーグル・クラウド・ジャパン日本代表の阿部伸一氏は、Anthosについて「私も一番注目したのはAnthos。日本からもおおむね良好な反応をいただいている」と語った。

 阿部氏は対象分野として、ネットワークゲームの世界でバーチャルコンサートを開催するときに、コンテナで作っていれば一気にスケールアウトできるという例を挙げた。

 また、「従来の企業である製造業などでは、パブリッククラウドとプライベートでなく、データセンターとエッジという分け方になる。これを共通化するのに使えるかもしれない、という期待をいただいた」とも語っている。「Anthosではエコシステムが重要となる。それをこれから私は日本で作る」(阿部氏)。

 なお、2018年11月に新しくGoogle CloudのCEOに就任したThomas Kurian氏の新体制については、「天地が逆転したというまでのことはないが、よりエンタープライズに焦点(を当てる)ということはいえる。営業が少ないと顧客にまで言われる状態で、営業を増強している」と阿部氏は語った。

グーグル・クラウド・ジャパン日本代表の阿部伸一氏

NTTコミュニケーションズ、Anthosを企業に向けてサービス予定

 Anthosには日本で(アジアで)唯一、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)がパートナーとして名前が挙がっている。NTTコミュニケーションズからも、4月10日づけで発表がなされた。

 NTTコミュニケーションズもそうしたパートナーの1つだ。NTTコミュニケーションズの角守友幸氏(クラウドサービス部 ホスティングサービス部門 部門長)によると、同社のEnterprise Cloudサービスの中で、ベアメタルサーバーにGKE On-Premを載せた形でサービスを提供する予定だという。

 また、データセンターサービスのNexcenterサービスでもGKE On-Premを提供し、VPNサービスのArcstar Universal Oneも組み合わせて、フルマネージドサービスを提供する。

 さらに、顧客企業のデータセンターに張り出す(延伸する)サービスも考えているという。たとえば工場などの企業エッジにKubernetesを設置するときに、GKE On-Premを設置してArcstar Universal Oneで接続し、一括管理するというイメージだ。

 そのほか、NTTコミュニケーションズの社内システムにおいても、AnthosのGKE On-Premを採用する予定とした。デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けて、開発をウォーターフォールから切り替えるにあたり、コンテナベースのプラットフォームとして利用する。

 「DevOpsやマイクロサービスで、顧客からコンテナプラットフォームの関心が高い。ただしコンプライアンスなどの問題もあり、オンプレミスの引き合いが強い。そこでGKE On-PremとAnthosで、セキュアかつGoogleの先進的なプラットフォームを利用できる」(角守氏)。

NTTコミュニケーションズの角守友幸氏(クラウドサービス部 ホスティングサービス部門 部門長)