特別企画
大阪ローカルリージョン、Nitro、Kubernetes――、進化を続けるAWSクラウドインフラストラクチャを解説する
2018年3月20日 06:00
コンテナテクノロジ:急速に進むKubernetesへのシフト
AWSは2015年にコンテナ管理サービス「Amazon ECS」をリリースして以来、コンテナテクノロジの開発に多大な投資を続けているが、昨秋の「AWS re:Invent 2017」では、その傾向がさらに顕著となり、アンディ・ジャシーCEOはキーノートの冒頭で2つのコンテナサービス「Amazon EKS」「AWS Fargate」を発表している。
また、2017年はIT業界全体でコンテナの本番環境でのユースケースが急激に増え、中でもGoogle主導のオープンソースのコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」がコンテナマネジメントにおけるデファクトとなったことは、注目すべきトレンドだといえる。
re:Invent 2017で発表されたFargateについて岡嵜氏は、「FargateはこれまでECSで必要だったEC2サーバーの管理をすることなく、必要なときに必要なだけのコンテナをスケーラブルに操作できるため、ユーザーはアプリケーションの開発に集中できる。コンテナを利用する上で、コンピューティングリソースの使い方を根本的に変えるサービスといえる」コメント。
また「ECSのKubernetes対応版であるEKSは、“Kubernetesワークロードの63%がAWS上で稼働している(CNCF調査)”という現状から、KubernetesをECS上で使いたいという声に応えたサービス。AWS自身もKubernetesプロジェクトの開発にコミットしており、AWSの開発をオープンソースプロジェクトにフィードバックしていく。またEKSとほかのAWSサービスのシームレスな連携も進めていく」と語っている。
FargateでもEKSでも“ネイティブなKubernetesエクスペリエンス”を提供することを強調しており、例えばFargateは現在、ECSのみのサポートだが、AWSは2018年中にはEKSにも対応すると表明している。
「EC2にインストールして使う場合と遜色(そんしょく)のない、Kubernetesの本番環境を提供する」(岡嵜氏)という言葉にあるように、ことコンテナに関してはAWSもKubernetes主導の方針である点を強く打ち出している点が興味深い。