特別企画

大阪ローカルリージョン、Nitro、Kubernetes――、進化を続けるAWSクラウドインフラストラクチャを解説する

セキュリティ――データセンターのデジタルツアーを開始へ

 「セキュリティはAWSの再優先事項」――。これはAWSのエグゼクティブが創業時からそろって口にするフレーズだ。「クラウドはセキュリティが脆弱」と言われていた10年前とは異なり、現在ではより堅牢なセキュリティと高い信頼性を求めるがゆえにAWSインフラを選択する企業も多い。

 一方でAWSはその強固なセキュリティを担保するために、データセンターの場所を一切公開しておらず、当然ながらどんなレベルの顧客にも見せたことはない。しかし、ここ数年、「セキュリティを確認するためにもAWSのデータセンターを見学したい」という声が多くの企業から寄せられており、現在、何らかの対応を検討中だとしている。

 岡嵜氏は「直近で顧客をデータセンターに案内する予定はないが、デジタルツアーなどを通して、AWSのセキュアなデータセンターの設計を確認してもらう方法などを試している。6月くらいになれば、もう少し具体的な話ができるだろう」と語っている。なお、デジタルツアーに関しては、日本語でもWeb上からその一部を見ることができる

AWSのデータセンターを知る機会として、デジタルツアーが一部公開されている

 また、最近のセキュリティアップデートとして、以下の2つも別に紹介されている。

・「AWS WAF」でパートナーが提供するマネージドルールが利用可能に。現時点ではAlert Logic、Fortinet、Trend Microなどセキュリティのエキスパートがルールを提供中

・公開データやAWS上で生成されるデータをもとにマシンラーニングを行い、継続したセキュリティに関して脅威の検知を行う「Amazon GuardDuty」が全リージョンで利用可能に

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 パブリッククラウド市場が形成されてから10年余が経過するが、この間、AWSが現在も首位のを譲らない理由のひとつは、そのインフラにある。スケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティなど、どれをとっても圧倒的なパワーを誇り、ほかの追随を許さず、その成長は決して止まることはない。

 2018年も間もなく第1四半期が過ぎようとしているが、ここまでのアップデートを見る限り、AWSのインフラへの投資量は今年も変わらないようだ。大阪ローカルリージョンの今後も含め、2018年にこの強固なクラウドインフラがどう成長し、どんなユニークなイノベーションを生み出す基盤となるのか、興味は尽きない。