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primeNumberがSaaS型ETL「TROCCO」を強化、オンプレ環境で利用可能にする「Self-Hosted Runner」などを提供
サービス連携用コネクタも大幅に拡充、利用企業自身がコネクタを開発できるツールも
2024年12月10日 12:42
株式会社primeNumberは10日、クラウド型ETL(Extract/Transform/Load)ツール「TROCCO(トロッコ)」の機能を拡充すると発表した。さまざまなサービスとの連携を容易に行える「コネクタ」の種類を大幅に拡充するほか、オンプレミス環境でTROCCOが利用できる「Self-Hosted Runner」をリリースする。また、ユーザー自身がTROCCOの連携コネクタを作成できる「Connector Builder」、TROCCOの各種設定をコードで管理できる「Terraform Provider for TROCCO」のリリース、CDC機能の全面リニューアルも実施するとのこと。
troccoは、データの収集・加工・連携を自動で行い、点在しているデータをひも付けることによって、より複雑で高度な分析を可能にするSaaS型のETLツール。さまざまなデータの連携・整備・運用を自動化し、迅速にデータ活用環境を整備できる点が特長で、従来はエンジニアが手作業で行っていたデータ統合作業の自動化を実現し、企業のデータ活用を推進するという。
今回の強化ではまず、各種サービスとデータを連携するための「コネクタ」を大幅に増加させる。コネクタを利用すると、特別な開発作業を行うことなく、GUIからサービスを選択するだけでデータの取得・転送が可能になるとのことで、まずは基幹系業務を中心に、会計、人事、決済、RevOpsといった領域で、2025年内に、新たに100以上のサービスへの対応を見込んでいる。
具体的には、会計領域では「freee会計」、人事領域では「SmartHR」の提供を先行して開始。2025年2月までに、「マネーフォワード クラウド会計」や「Zoho Books」「Sansan」「Stripe」「Square」「Spotify」といったサービス向けのコネクタを提供する予定だ。
加えて、TROCCOの「コネクタ」を利用企業自身が開発できる「Connector Builder」を、2025年4月より提供開始する。現時点では、HTTPのAPIを提供しているサービスとの接続が可能とした。
さらに、2024年8月にβ版が提供されていた、IaC(Infrastructure as Code)ツール「Terraform」でTROCCOの各種設定を管理できる「Terraform Provider」を12月5日に正式リリースしている。
正式版の名称は「Terraform Provider for TROCCO」で、現時点では、ユーザー、接続情報、データマート定義(BigQuery)をサポート。今後、ワークフロー、転送設定といったTROCCOの主要なデータ活用のための機能や、リソースグループ/チームといったそれらに付与する権限を管理するための機能もサポートする予定である。
またTROCCOは、SaaSというサービスの特性上、対象となるデータもクラウド上のサービスが中心で、セキュリティ面のハードルからも、基幹系システムなど、オンプレミス上のデータを利用できない場合があったとのこと。今回はそうした課題に対処するため、オンプレミス/プライベートクラウドといった、利用企業のインフラ環境内でデータ転送処理が完了する「Self-Hosted Runner」を開発した。2025年1月より、トライアルへの参加企業を募集するとしている。
このほか、データベースの変更情報を記録する「Change Data Capture(CDC)」の構成をリニューアルし、2025年4月より提供開始することも発表された。システム構成が一新されており、データベースの全テーブル転送が可能になるとともに、大規模データの転送も改善され、ほぼリアルタイムでの転送を実現したとのこと。