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デル・テクノロジーズ、フラッシュストレージ「PowerStore」のセキュリティ強化など、ストレージ製品群のソフトウェア機能強化をアピール

 デル・テクノロジーズ株式会社(以下、デル)は19日、「PowerStore 3.5」のセキュリティ機能強化など、ストレージ製品群のソフトウェア機能強化を発表した。デルはストレージの技術革新に注力しており、ストレージ関連ソフトウェアには、今年度だけで2000を超える新機能が加わっているという。

 今回、ストレージ製品の中でオールフラッシュストレージ「PowerStore 3.5」をフィーチャー。依然としてセキュリティ被害が多いことから、サイバーレジリエンスを強化し、米国防総省の厳格な要件に完全対応したのをはじめ、アプライアンスとの連携による効率化などの機能が強化されていることを説明した。

 なお、こうしたデルのストレージ製品の機能強化については、「ストレージに携わって37年」というデル・テクノロジーズ ストレージプラットフォームソリューション事業本部 システム本部 ディレクターの森山輝彦氏が紹介を行った。

デル・テクノロジーズ ストレージプラットフォームソリューション事業本部 システム本部 ディレクターの森山輝彦氏

 デルはAPEXマルチクラウド戦略のもと、「ストレージだけでなく、サーバー、ネットワーク、ハイパーコンバージドなど含めて、最近ではモダンデータインフラストラクチャーとして、スマート、フレキシブル、レジリエントといった、常に革新的なイノベーションをお客さまにお届けている。また、使い勝手がよく、なおかつ回復性に優れているという特徴を、いろいろな製品に入れ込んでリリースしている」と、現在のストレージ製品が目指す方向をアピールした。

 特にストレージのソフトウェア関連の機能強化に積極的で、今年度前半だけで2000を超える新機能が加わるなど、大幅に機能が強化されている。

ソフトウェア駆動型ストレージのイノベーション

 特にPowerStore 3.5は、サイバーレジリエンス、マルチクラウドへの対応、効率性という3つの機能を強化した。

 サイバーレジリエンス機能は、米国防総省の厳格なセキュリティ要件に完全対応し、近日、連邦政府認定製品リスト認定を取得する予定となっている。米国防総省では、パスワードの複雑さに関する要件とルールへの対応や定期的な侵入検知とアラート、ユーザーロックアウトポリシーなどをITセキュリティコンプライアンス構成として求めている。

 「米国国防総省が採用するセキュリティ基準に達しているとお墨付きがついたといった内容となる。すでにPowerMaxは認定製品となっていたが、今回、PowerStoreも認定製品となった。この基準の認定となるということは、厳格なセキュリティ基準をクリアした製品だということになる。お客さまにも安心してお使いいただくことができるものといえるのではないか」(森山氏)。

 組み込みセキュリティの強化については、「PowerStoreシリーズは、古い製品を修正しセキュリティ機能を強化した製品ではなく、最初から厳格なセキュリティ基準に基づいて設計された新しい製品」(森山氏)と説明し、製品の基本設計段階からセキュリティに配慮した製品となっている点をアピール下。具体的には、ゼロトラストの導入を加速するネイティブなMFA(多要素認証)、高い安全性と変更不可能なスナップショット機能、ファイルに対する権限設定の効率化といった機能を搭載している

オールフラッシュストレージ「PowerStore 3.5」
サイバーレジリエンスを強化

 最適な運用効率とエネルギー効率の実現も、大きな機能強化点となっている。

 Dynamic AppsONは、コンピュートやストレージを個別で柔軟に拡張するもので、VxRailとPowerStoreの長所を合わせ、多様なワークロードニーズに対応する。購入と導入も容易であり、データとアプリケーションのシームレスなモビリティ、高度なPowerStoreストレージサービスなど柔軟な統合を実現している。さらにエンドツーエンドのVMware管理を実現し、VxRailおよびPowerStoreサービスをvSphereから直接プロビジョニング可能なため、運用環境のサイロをなくすことにつながる。このほか、ソリューションレベルのライフサイクル管理を実現するものとして、複雑さとリスクを排除し、ソリューションが常に最適化され、最新であることを保証するとした。

最適な運用効率とエネルギー効率の実現
Dynamic AppsON

 また、PowerProtect DDに直接バックアップすることで、データ保護アプライアンスがもたらすレジリエンスとコストメリットを体感できる点も大きな特長という。クラウドまたはオンプレミスのPowerProtect DDへ、PowerStoreデータの筐体外スナップショットを直接生成でき、これによって、データ移送用バックアップサーバーが不要になるのみならず、アプリケーションホストへの影響も極小化できるという。さらに、独自プロトコルであるDDBoostを活用し、ネットワークトラフィックを削減。こうした施策により、最大で65:1のデータ削減を実現する。

PowerProtect DDに直接バックアップ

 PowerProtect DDへ直接バックアップするもうひとつのメリットが、セキュリティ機能強化だ。強化されたPowerStoreセキュリティに、グローバルで1300社導入のサイバー復旧対策「PowerProtect Cyber Recovery」をシームレスに追加可能。サイバー復旧用のデータを確保できるので、データ防御、データ隔離、データ衛生を保てるという。

 なお、PowerStore Managerを利用することで、データ所有者自身によるセルフサービス型バックアップを可能にしており、物理的なアプライアンス、オンプレミスの仮想環境、パブリッククラウドといったフォームファクターを問わずにバックアップできる。データリカバリー時も、同一または異なるPowerStoreに復元可能だ。

PowerStore Managerでバックアップを直接コントロール

 マルチクラウドを利用している場合でも、AWS、Azure、Googleクラウドなど、異なるパブリッククラウドに展開されている仮想版から容易にバックアップと復旧を行え、ベンダーによる囲い込みを回避しながら、独自のマルチクラウドデータ保護戦略を策定することもが可能。安価なオブジェクトストレージを使用することなどにより、クラウド関連コストの削減も支援できるとした。さらに、オプションでコールドデータのオフロードを行うことも可能で、オンプレミス関連コストの削減にも寄与するとしている。

独自のマルチクラウドデータ保護戦略を策定可能