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デル・テクノロジーズ、フラッシュストレージ「Dell PowerStore」の機能強化を発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間20日、フラッシュストレージ「Dell PowerStore(以下、PowerStore)」の機能を強化し、これまで以上に優れたパフォーマンス、効率、レジリエンス、マルチクラウド環境におけるデータモビリティを提供すると発表した。

 Dell PowerStoreは、QLC(クアッドレベルセル)ストレージと大幅なパフォーマンス強化により、増え続けるワークロード需要の管理をサポートする。QLCベースストレージは、TLC(トリプルレベルセル)との比較で、1テラバイトあたりのコストを抑えながら、エンタープライズクラスのパフォーマンスを提供すると説明。最小11本のQLCドライブから始め、アプライアンスあたり最大5.9ペタバイト(PB)の実効容量までスケールアップできる。

 PowerStoreのインテリジェントなロードバランス機能は、TLCとQLCの混合クラスター環境全体にわたり、コストを削減しながらワークロードの配分効率を高める。新しいDIP(データインプレース)の上位モデルアプライアンスへのアップグレードにより、ハードウェアパフォーマンスが最大66%向上するとしている。

 PowerStoreソフトウェアの機能強化により、効率、セキュリティ、クラウドモビリティが向上すると説明。既存の顧客は、追加コスト不要で利用できる無停止ソフトウェアアップデートにより、混合ワークフローパフォーマンスが最大30%向上し、レイテンシーを最大20%低減できる。

 データ保護の強化では、ブロックとファイルワークロード向けのネイティブな同期レプリケーションおよび、Windows、Linux、VMware環境向けのネイティブなメトロレプリケーションにより、重要なワークロードを保護するための幅広い選択肢を提供する。

 効率の向上では、ソフトウェアの強化により、データ削減率が最大20%向上し、1ワットあたりの効率的なテラバイト数が最大28%向上すると説明。マルチクラウドデータのモビリティ強化では、「Dell APEX Block Storage for Public Cloud」とPowerStoreをつなぐことで、マルチクラウド戦略を推進し、ワークロードのモビリティを簡素化できる。

 デル・テクノロジーズでは、これらのPowerStoreの機能強化は、「PowerStore Prime」の一部として行われたものだと説明。PowerStore Primeは新たな統合ソリューションで、アップデートしたPowerStoreシステムと、ストレージに対する顧客の投資をこれまで以上に強力に保護しながら、パートナーの収益性向上を実現できるように設計されたプログラムを組み合わせて提供するとしている。

 また、デル・テクノロジーズでは、「Dell APEX」ポートフォリオを拡張し、新たなAIOpsの先進機能を提供するとともに、マルチクラウドとKubernetesストレージ管理機能を強化すると発表した。

 「Dell APEX AIOps Software-as-a-Service(SaaS)」は、AI主導のフルスタックの可観測性(オブザーバビリティ)とインシデント管理により、デル・テクノロジーズのインフラストラクチャーの健全性とサービスの可用性を最適化する。AIOpsツールを大幅に拡張したこのソリューションは、「Infrastructure Observability」「Application Observability」「Incident Management」の3つの統合機能により運用を簡素化し、ITの俊敏性を高め、アプリケーションとインフラストラクチャーに対して、より高いコントロール能力を提供する。

 Infrastructure Observability(インフラストラクチャーのオブザーバビリティ)は、AIを基盤にした健全性、サイバーセキュリティ、サステナビリティに関するインサイトと提案により、インフラストラクチャーの問題を従来のアプローチに比べて最大10倍迅速に解消する。生成AIを基盤にする「Dell APEX AIOps Assistant」は、インフラストラクチャーに関する質問へ即座に回答するだけでなく、問題解決のための詳細な提案を提供する。

 Application Observability(アプリケーションのオブザーバビリティ)は、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを保証するフルスタックのアプリケーショントポロジーとアナリティクスにより、アプリケーションの問題に対する平均解決時間(MTTR)を最大70%短縮する。

 Incident Management(インシデント管理)は、AI主導のインシデント検出と解決により、デジタルインフラストラクチャーの可用性を最大化し、顧客から報告されるマルチベンダー/マルチクラウドインフラストラクチャーの問題を最大93%削減する。

 また、「Dell APEX Navigator SaaS」が拡張され、Kubernetesストレージ管理機能を提供するとともに、「Dell APEX Storage for Public Cloud」のサポートを追加した。

 Dell APEX Navigator for Kubernetesは、データレプリケーション、アプリケーションモビリティ、コンテナのオブザーバビリティといったデータサービスにより、「Dell PowerFlex」および、近日にはDell PowerScaleと「Dell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShift」でも、Kubernetesストレージ管理を簡素化する。

 「Dell APEX File Storage for AWS」のサポートも追加されており、年内に「Dell APEX File Storage for Microsoft Azure」のサポートも予定する。「Dell APEX Navigator for Multicloud Storage」は、デル・テクノロジーズがオンプレミスとパブリッククラウドストレージで生成したユニバーサルストレージ層にわたって、ストレージの構成、展開、監視を簡素化する。