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デル・テクノロジーズ、AI/生成AIに向けたストレージの新機能を発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間7日、ストレージシステムの新たな機能強化を発表した。数々の新しい先進機能と、AIデータセンターソリューション「NVIDIA DGX SuperPOD」により、より高速なAIと生成AIのパフォーマンスを実現することを支援するとしている。

 ファイルストレージシステム「Dell PowerScale」では、AIストレージの高パフォーマンスと効率化のニーズに応える機能を追加。「PowerScale OneFS」の機能強化により、これまで以上に迅速に、AIモデルの準備、トレーニング、微調整、推論を行える。Dell PowerScale OneFSソフトウェアの強化機能は、12月から全世界で提供開始の予定。

 新しいPowerScaleオールフラッシュストレージシステムは、最新世代の「Dell PowerEdge」サーバーを基盤に、ストリーミングの読み取りと書き込みで、最大2倍のパフォーマンス向上を実現する。PowerScaleは、新たにスマートスケールアウト機能も提供する。これにより、単一のコンピュートノードのパフォーマンスが向上してGPUの使用率が高まり、AIのトレーニング、チェックポイント、推論のストレージスループットが高速化する。次世代オールフラッシュ「Dell PowerScale」システムと新しいスマートスケールアウト機能は、2024年前半に全世界で提供開始の予定。

 また、デル・テクノロジーズではNVIDIAとのコラボレーションにより、NVIDIA DGXシステム、PowerScaleストレージ、NVIDIA Quantum-2 InfiniBand、Spectrum Ethernetネットワークの検証済みの組み合わせを活用して、より高速で効率的なストレージを実現すると説明。デル・テクノロジーズのソリューションは、NVIDIA DGX SuperPODで初の検証済みイーサネットストレージソリューションとなる予定としている。

 PowerScaleが、データセンターAIソリューションであるNVIDIA DGX SuperPODの検証済みソリューションになることで、デル・テクノロジーズのネットワーク接続型ストレージを活用して、高い信頼性でAIと生成AIのイニシアチブを促進させられると説明。NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアプラットフォームは、NVIDIA DGX SuperPODに含まれており、安全で安定したフルスタックのAIスーパーコンピューティングソリューションを提供する。現在、Dell PowerScaleは、NVIDIA DGX SuperPODで検証中で、2024年第1四半期に完了する見込み。

 また、デル・テクノロジーズは、オンプレミスやエッジ、パブリッククラウドなど、顧客にとって最も価値を発揮する場所で、データ処理を可能にすると説明。「Dell APEX Storage for Public Cloud」ポートフォリオの最新ソリューションとなる、「APEX File Storage for Microsoft Azure」は、Microsoft Azure環境に、エンタープライズクラスのファイルパフォーマンスと管理機能を提供する。これにより、Azure OpenAI ServiceやAzure AI Visionといったパフォーマンス集約型のAIアプリケーションや、ML(機械学習)アプリケーションのニーズを満たす。Dell APEX for File Storage for Microsoft Azureは、2024年前半に全世界で提供開始の予定。

 「APEX File Storage in AWS and Azure」は、データアクセスと移動を向上させながら、パブリッククラウドやオンプレミスのデータで、クラウドネイティブなAIと生成AIのワークフローを活用できるようになる。例えば、デル・テクノロジーズとDatabricksのコラボレーションの拡大を背景に、顧客は幅広い大規模言語(LLM)モデルから選び、Databricks MosaicMLのライブラリーを使い、「APEX File Storage」に格納している独自のデータで基礎モデルを再トレーニングして、マルチクラウド環境全体に優れた柔軟性を提供できるとしている。Dell APEX for File Storage for Microsoft Azureは、2024年前半に全世界で提供開始の予定。

 Databricksとのコラボレーションは、デル・テクノロジーズのデータ管理エコシステムのパートナーシップをベースに、顧客が行っているAIとアナリティクスの取り組みを支援・促進する。さらに、デル・テクノロジーズが提供を予定しているオープンなモダンデータレイクハウスでは、Starburstのアナリティクスソフトウェアと、PowerEdgeサーバーおよびPowerScale、Dell ECSエンタープライズ向けオブジェクトストレージ、Dell ObjectScaleのファイル/オブジェクトストレージシステムの統合により、データが置かれている場所に関係なく、インサイトを引き出せるとしている。デル・テクノロジーズのオープンなモダンデータレイクハウスソリューションは、2024年前半に全世界で提供開始の予定。