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Denodo Technologies、DX推進を背景に国内でのビジネスが好調に推移

仮想化技術により論理的にデータ統合を実現

 データ統合・管理ソリューションを開発・提供するDenodo Technologies株式会社(以下、Denodo)は29日、プレスラウンドテーブルを開催。日本国内における最新のビジネス状況や同社ソリューションの特徴、今後の事業展開などについて説明した。

 Denodo本社は1999年にスペインで創業されて以来、一貫してデータ統合、データマネジメント、データ配信の領域に注力し、グローバルにビジネスを拡大してきた。現在は、世界20カ国に25拠点を展開し、社員数は600人以上。Fortune500やForbes Global2000に選出されている世界1100社以上の顧客を持ち、300社以上の積極的パートナーを有しているほか、財務状況についても好調で、50%を超える年間成長率で推移しているという。

Denodo Technologiesのビジネス概況

 日本国内でのビジネス状況について、Denodo リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャーの中山尚美氏は、「日本では2018年に事務所を開設し、2019年から本格的に活動を開始した。国内における顧客数は、昨年8月末時点で約40社となっており、アサヒグループジャパン、大林組、鹿島建設、KDDI、大日本印刷、パーソルキャリア、JR西日本など業界を問わず、大量のデータを扱う大手企業を中心に導入が進んでいる。パートナー企業は3月現在で9社まで増加しており、今後もパートナービジネスをさらに加速していく。また、国内の売上高もグローバルを上回る成長率で拡大を続けている」と説明した。

Denodo Technologies リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャーの中山尚美氏

 Denodoが提供するデータ統合ソリューションのニーズが高まっている背景には、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進があるという。中山氏は、DXの推進において企業が直面するデータ統合の課題として、「大量のデータコピーが発生する」、「多数のシステム構築が必要であり、多大なインフラコストがかかる」、「初期構築負荷、および継続的なメンテナンス負荷が高い」、「ユーザーから要求があってから実際にデータを提供するまでのリードタイムが長い」、「増え続けるデータや分散化する環境に対応できない」といった点を指摘する。

 これに対して、Denodoのデータ統合ソリューションは、論理ファーストのアプローチによって、分散しているデータやシステムはそのままに、データ仮想化技術を活用して、論理的にデータを1つに統合する「ロジカル・データファブリック」を実現するという。「DXの推進にともない、データ活用が進めば進むほど、膨大なデータを物理的に1か所に集めることは困難になってくる。そのため、データ形式や保管場所は問わずに、疎結合でデータを統合し、すぐにユーザーが使えるようにすることが求められる。当社のソリューションでは、データソースとデータ利用者の間にデータ仮想化層の『ロジカル・データファブリック』を構築することで、データの物理的な複製なしで論理的にデータを統合することが可能になる」としている。

「ロジカル・データファブリック」の概念図

 実際にDenodoのデータ統合ソリューションを導入した企業の活用事例としては、「データの論理統合による仮想データマートの構築」、「企業統合やクラウド移行などシステム移行時に有効活用」、「データ活用基盤を迅速に開発」などのケースを紹介。導入メリットとして、1)より早く、より正確にビジネスへ適応する柔軟性の高いデータ活用、2)全社的なガバナンス、セキュリティを容易に実現、3)複製データの削減によるITコストの最適化――の3点をアピールした。

Denodoデータ統合ソリューションの導入メリット

 今後の事業展開について、中山氏は、「日本でのさらなるビジネス拡大に向けて、ユーザー企業の交流を深める場としてDenodoユーザー会を立ち上げる。今年5月~6月に第1回のユーザー会を開催する予定だ。また、パートナー企業との連携を促進するイベントとして『Partner Day』を5月末に開催することを決定した。そして、コロナ禍によりオンラインで開催していた自社イベント『Denodo Data Fest』を、今年はリアル会場で開催する。日本では7月6日に東京ステーションホテルで開催するほか、APACでは7月12、13日にシンガポール、9月には米国、10月には欧州で開催する」との計画を明らかにした。