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ピュア・ストレージはDXに貢献できるデータストレージでありたい――、米本社のジャンカルロCEOと日本法人の田中社長が会見

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(ピュア・ストレージ)は25日、イベント「Pure//Accelerate Japan 2022」に合わせて記者説明会を開催した。イベントに来日した米Pure Storageの会長兼CEOのチャールズ・ジャンカルロ氏と、ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役社長の田中良幸氏が、グローバルおよび日本におけるビジネス状況について語った。

Pure Storage 会長兼CEO チャールズ・ジャンカルロ氏(左)と、ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 田中良幸氏(右)

競合が利益を減らす中でも成長

 ジャンカルロ氏はまず、Pure Storageの企業概要を紹介した。202年度の年間売上は21億8000万ドルで、2023年度第1四半期(~2022年4月)の売上高が6億2000万ドル。顧客にFortune 500の企業が含まれる割合は54%ほどで、ガートナーのマジッククアドラントで8年連続「リーダー」と認定、サブスクリプション年間計上収支(ARR)9億ドルであり、対前年度比成長29%だと説明した。

 これを受けて「会社はとても好調」とジャンカルロ氏。ストレージ市場は大きな市場であり、その中でPure Storageはマーケットを超える成長を続けているという。

 中でもジャンカルロ氏はハイブリッドクラウドアーキテクチャが重要だと強調し、「かつて企業はすべてクラウドに移行することを考えていたが、それは現実的ではないとわかった」と語った。

Pure Storage 会長兼CEO チャールズ・ジャンカルロ氏
Pure Storageの企業概要
ストレージ市場

 2023年度第1四半期の決算ハイライトとしては、売上高50%増や、非GAAPベースの営業利益8500万ドル達成など、引き続き好調だと説明。米国とともに海外の売上高も堅調に推移しているという。

 また、オンプレミスのストレージをサービスとして使えるPure Fusionと、コンテナプラットフォーム向けのデータサービスPortworx Data Servicesを提供開始したことも紹介。さらに、ESG(環境、社会、ガバナンス)レポートを発表したことや、2023年度の売上見通しを上方修正したことも挙げた。

 ジャンカルロ氏は、ストレージ市場について「競合他社が少しずつ利益を減らしている中で、われわれは伸ばしている。これはわれわれのイノベーションのたまものだ」と述べた。

2023年度第1四半期の決算ハイライト
ストレージ市場の推移

 ジャンカルロ氏は「Anywhere as-a-Service」への取り組みとして、Evergreenを強調した。サブスクリプションの「Evergreen//One」や、購入+サブスクリプションの「Evergreen//Flex」、購入型の「Evergreen//Forever」のモデルがある。「Evergreenにより、10年前の製品でもハードウェアもソフトウェアも新しく見える」とジャンカルロ氏は説明した。

 そして、最新のストレージに必要なものとして、目に見えない(APIでの利用)、スケーラブル、即時性、インテリジェント(AIによるワークロードの調整)、クラウドライクを挙げ、「これを可能にしているのがPure Fusion」と語った。

Pure StorageのEvergreen
最新のストレージに必要なもの

 最後にサステナビリティ(環境問題)についてもジャンカルロ氏は語った。「お客さまが、どれだけエネルギーを使っているか、どれだけ無駄にしているかを尋ねるように劇的に変わってきている」と氏は言う。

 そのため、初めて年次ESGレポートを発行した。第三者に審査を依頼して評価を得て、認証を受けたという。

 ここでわかったこととして、Pure Storage製品によって消費エネルギーを最大8割削減できるとジャンカルロ氏は報告。さらに、Evergreenは、部品点数が少なく、ソフトウェアで更新できてライフサイクルも長いため、廃棄の量も減っていると述べた。

Pure StorageのESGレポート

日本市場のプライオリティはDX、セキュリティ、クラウド

 田中良幸氏は、日本での活動と結果について報告した。

ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 田中良幸氏

 まず田中氏は、ピュア・ストレージの前年度比50.8%の成長という数字を挙げ、「ずっと成長を続けており、これを続けている会社はほかにない」と述べた。それに対して市場全体はマイナス17.2%だとして「マイナス成長している市場でも成長しており、認めていただいている会社に感謝したい」と氏は語った。

 特に、データストレージへの要望が変化している中で、Evergreenによって時代の要求に柔軟に展開することで、強い長い支持を得られていると田中氏は説明した。

 そうした中で、ピュア・ストレージから見た日本市場のプライオリティとして、「DXに貢献できるデータストレージでありたい。DXにはデータプラットフォームやデータストレージが重要」と田中氏。

 次にセキュリティ。「企業の目的は競争に勝つこと。データを使って競争に勝とうとするときに、セキュリティが伴っていないと足をすくわれる」と述べた。

 そしてクラウド。「かつては、オンプレかクラウドかと論じられていたが、いまはそんな時代ではない。ストレージがどこにあっても、それらを合わせてどうマネージしていくかを考えるのが、真のストレージのベンダーだ」(田中氏)。

 成長顧客の産業としては、成長著しいというパブリックセクター/政府機関と、継続的に使われているサービスプロバイダーを挙げた。さらに、「同様に日本の主たる産業である金融・保険や製造にも、データがついてまわる」と付け加えている。

市場が縮小する中で50.8%の成長
日本におけるトレンド