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ピュア・ストレージ、Kubernetes向け統合データ基盤「Portworx」新版を提供 ピュア・ストレージ製品とのAPI統合を実現
クラウド型管理ツール「Pure1」の新版も
2021年7月30日 12:00
ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュア・ストレージ)は29日、Kubernetes向け統合データプラットフォームであるPortworx製品の次期バージョン「Portworx Enterprise 2.8」と、クラウドベースの管理ツール「Pure1」の新バージョン「Pure1 Digital Experience」を発表した。
同日には、新製品をリリースする背景や狙い、各製品の機能アップデートについてオンライン説明会が行われた。
ピュア・ストレージ 代表取締役社長の田中良幸氏は、同社のビジネス状況について、「グローバルでの2021年度の売上高は16.8億ドルに達しており、ガートナー社のマジック・クアドラントでは、プライマリ・ストレージ・アレイ部門において7年連続でリーダーに位置付けられている。また、顧客満足度調査ではB2B企業の上位1%に値する83.5NPSの高評価を獲得した。日本でのビジネスも、引き続き好調に推移しており、2021年第1四半期は、エンタープライズストレージ市場全体が縮小する中、当社は85.5%という大幅な成長を達成した」と述べた。
今回、新製品をリリースする背景については、「現在企業では、データをいかにビジネスに活用できるかが勝負を分ける重要なポイントとなっている。特に、データを使ったサービスを通じて、顧客や従業員によりよい体験を提供し、成果につなげることが求められている。当社では、この実現を支援するソリューションとして、モダン・データ・エクスペリエンスの提供を推進している。今回の新製品もその一環となるもので、『Portworx Enterprise 2.8』によって、データインフラのクラウドおよびKubernetes対応をさらに拡張するとともに、『Pure1 Digital Experience』によりデータ管理における最新のカスタマー・エクスペリエンスを提供していく」と語った。
「Portworx」は、Kubernetes向けの統合データプラットフォームで、Kubernetesアプリケーションに最適なストレージ環境を提供するためのさまざまな機能を備えている。今回リリースする次期バージョン「Portworx Enterprise 2.8」の新機能について、ピュア・ストレージ クラウド・アーキテクトの溝口修氏は、「昨年10月にPortworxを買収して以来、今回がピュア・ストレージ製品とPortworxのAPI統合を実現した最初のリリースとなる。当社のオールフラッシュストレージおよびサービスのプラットフォーム全体にわたって密接な統合を行うことで、Portworxを介して、Storage as a Codeの形でダイナミックにKubernetesのデータを管理できるようになった」と説明した。
また、Pure1によるデータの一元管理やプロアクティブサポートなどの新機能により、コンテナ化されたワークロードをクラウド、ベアメタル・インフラストラクチャ、ピュア・ストレージ・アレイ、さらには競合ストレージ・ソリューションも含めて、全体でシームレスに統合することが可能となる。このほかに、PX-BackupによるワンクリックのKubernetes対応データ保護や、高性能で拡張性のあるオールフラッシュストレージへのデータバックアップにも対応している。
なお、「Portworx Enterprise 2.8」の提供開始は、今年8月を予定している。
一方の「Pure1 Digital Experience」は、ピュア・ストレージ製品の基盤となる、最高のエクスペリエンスを提供するクラウドベース管理ツール。今回の最新バージョンでは、セルフサービス管理とデジタル調達を備えた新たな自動モニタリングとAIによる推奨機能が利用可能となる。
ピュア・ストレージ プリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏は、新機能のポイントについて、「最新バージョンでは、AIエンジンのPure1 Metaがアップデートされ、問題をプロアクティブに特定し、動作が停止する前に解決されるよう解決策を規定する予測サービス管理を提供する。また、AI駆動型のデータ運用を実現するシミュレーション機能により、リソースがどのように使用されているかを追跡するだけでなく、ワークロードを追加または移動した場合を予測し、AIが将来のパフォーマンス、容量、拡張に関する推奨を行う。例えば、アプリケーションの稼働実績に基づく新規ワークロードの推奨や、アレイ間のワークロード移行に関する推奨、インスタンス・タイプ選択のためのサービス検討におけるシミュレーション機能などを利用することが可能となった」と紹介した。
セルフサービス管理では、Pure1サービス・カタログを拡張し、進化したデジタル・セルフサービスを提供する。これにより、ユーザーは単一のインターフェイスから、オンプレミスおよびハイブリッドクラウドストレージのサービスや、プロフェッショナル・サービスになどに幅広くアクセスが可能となる。また、サービスの見積もりから注文、追跡までをシンプルかつ迅速に行えるようになる。
「Pure1 Digital Experience」の最新バージョンは、追加費用なしで、すべてのユーザーが利用することできる。