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ピュア・ストレージ、グローバルおよび日本市場のビジネス展開について説明

サブスクリプションサービスや外付けOEMストレージが好調

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュア・ストレージ)は14日、新年社長記者説明会をオンラインで開催し、代表取締役社長の田中良幸氏が、グローバルと日本市場におけるビジネス展開、テクノロジーおよびパートナー戦略について説明するとともに、2021年のテクノロジーのトレンド予測を語った。

ピュア・ストレージ・ジャパン代表取締役社長の田中良幸氏

 田中氏はまず、グローバルのビジネス概況について、「コロナ禍においても当社のビジネスは堅調に推移しており、特にサブスクリプションサービスが顕著な伸びを見せている。2021年1月期3Qでは、既存および新規顧客も含めてサブスクリプションサービスで対前年比29%の成長となった。また、当社のネットプロモータースコアも83.5まで上昇している。さらに、ガートナー社の2020年マジック・クアドラントの『プライマリ・ストレージ・アレイ部門』でリーダーとして位置付けられ、7年連続リーダーを維持している」と述べた。

ピュア・ストレージのグローバルのビジネス概況

 外付けOEMストレージ(AFA、ハイブリッド、HDD)市場でも、同社は市場全体を上回る勢いで成長を続けているという。5年間(2014~2019年)のCAGR(年平均成長率)を比較すると、グローバルの外付けOEMストレージ市場全体が2.6%であるのに対して、同社は55.7%を達成している。日本市場においても、2020年第3四半期の外付けOEMストレージ市場全体(売上高ベース)は前年比8.5%増であったが、同社は同8.7%増の成長となっている。

外付けOEMストレージ市場(グローバル)の5年間CAGR比較2014~2019

 田中氏は、この成長を支えるストレージ製品として、コストパフォーマンスに優れたオールQLCフラッシュ・アレイ「FlashArray//Cシリーズ」とスケールアウト型オールフラッシュNAS「FlashBlade」を挙げ、国内の大手企業における「FlashBlade」の導入事例として、日本中央競馬会(JRA)とマネックスグループの事例を紹介した。

 国内のパートナー戦略としては、「100%パートナー中心のビジネスをさらに強化し、今後も幅広い分野のパートナー企業を積極的にリクルートしていく」(田中氏)考え。説明会では、「ピュア・パートナーアワード2020」の開催に先立ち、伊藤忠テクノソリューションズが「APJ PARTNER OF THE YEAR 2020」、ネットワンシステムズが「JAPAN PARTNER OF THE YEAR 2020」、東京エレクトロンデバイスが「APJ DISTRIBUTOR OF THE YEAR 2020」を受賞したことが発表された。

 製品ポートフォリオの拡充では、昨年、Kubernetesデータサービスプラットフォーム大手のPortworxを買収している。「ピュア・ストレージのソリューションと組み合わせることで、コンテナのクラウドネイティブアプリケーション向けに業界で最も包括的なデータサービスプラットフォームを提供することが可能となる。日本市場でのビジネス展開についても近いうちに発表できるよう準備を進めている」(田中氏)という。

 サブスクリプションサービスの展開としては、昨年末から国内で従量課金型ハイブリッドクラウドストレージサービス「Pure as-a-Service 2.0」の提供を開始している。「『Pure as-a-Service 2.0』では、企業の幅広いニーズに対応する新たなサービスカタログと複数のサービスティアを追加した。特に、最小コミットメントを33%削減し、ブロック容量への参入障壁を下げている。また、ネットワーキングとコンピューティングを含むパートナーソリューションをサポートするフルスタック・アズ・ア・サービスも提供する」(田中氏)としている。

「Pure as-a-Service」の概要

 2021年のテクノロジーのトレンド予測について田中氏は、「2021年は、カスタマー・エクスペリエンスがストレージ・アズ・ア・サービス市場における差別化要因になるとみている。また、エンタープライズ・アプリケーションではコンテナおよびKubernetesが主流となり、分散型クラウド/エッジクラウドが本格的にスタートする年になると予測している。そして、『サステナビリティ』(持続可能性)が、単なるグローバル・サプライチェーンのトレンドを超え、2021年にはビジネスの必須課題になる」との考えを示した。