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アライドテレシス、無線LANアクセスポイントを機能強化しZero Wait DFSなどを搭載

ルータやスイッチ製品の新ファームウェアも提供

 アライドテレシス株式会社は28日、無線LANアクセスポイントとスイッチ、ルータ製品のファームウェアをバージョンアップすると発表した。アクセスポイントにおいては、無線LANの設計をより柔軟に行える「Zero Wait DFS」機能などに対応している。

 まずアクセスポイントでは、AT-TQ6702 GEN2、AT-TQm6702 GEN2、AT-TQ6602 GEN2、AT-TQm6602 GEN2の各製品に新ファームウェア「Ver.8.0.1-1.1」を提供する。この新ファームウェアでは、Zero Wait DFS機能を搭載した。

 これらのアクセスポイントでは、航空レーダーや気象レーダーなどのレーダー波を検知した場合、干渉を避けるために、それまで利用していたチャンネルを変更するDFS(Dynamic Frequency Selection)機能を利用できる。しかし通常のDFSでは、変更後のチャンネルにおいても、再度干渉が発生しないかを確認するために、1分間のスキャンを実施する必要がある。この間は通信ができない状態になってしまうため、通信の中断が発生してしまうが、Zero Wait DFSでは、変更の候補となるチャンネルを常に確認しておくことで、DFSでレーダー波を検知した際、すぐに候補のチャンネルへ切り替えて通信を再開できるという。

 またTQ6000 GEN2シリーズでは、有線LANの2ポートのうち、リリース時は1ポートのみがサポートされていたが、今回のバージョンアップにより、2ポート目のサポートも開始された。2ポートでPoE給電による受電が可能となったことで、配下に有線で端末を接続するカスケード接続に加え、両ポートをPoEスイッチに接続し、電源冗長や帯域幅を増やせるリンクアグリゲーションにも対応する。

 またAT-TQ6602 GEN2とAT-TQm6602 GEN2では、「AT-Vista Manager EX」や「VST-APLシリーズ」、アライドテレシス製スイッチやルータ製品に内蔵されている「Vista Manager mini」といった管理ツールに対応する。これにより、トポロジーマップやヒートマップをWeb GUI画面上で管理し操作可能になるとのこと。

AT-TQ6602 GEN2

 一方、x950シリーズ、Switch Blade x908 GEN2、Switch Blade x8100シリーズといったスイッチ製品では、新ファームウェア「AlliedWare Plus Ver. 5.5.2-0.1」により、「BFD(Bi-directional Forwarding Detection)」に対応した。

 イーサネットネットワーク上の任意の2点間において、パケットが適切に送受信されていないなどの障害を検知可能になる。また、BFDを経路制御プロトコルと連携させると、対向機器のリンクダウンを直接検知できない環境においても障害を早期に検知し、素早い経路変更が可能になる。なお今回の対象製品では、スタティックルーティング・OSPF・BGPとの併用をサポートしている。

 ルータでは、AT-NFV-APL-GTX、AT-NFV-APL-GT、AT-AR4050S-5G、AT-AR4050S、AT-AR3050S、AT-AR2050V、AT-AR1050Vの各製品で、新ファームウェア「AlliedWare Plus Ver. 5.5.2-0.1」により、OPEN VPNでのTLS通信を使用する際のセキュリティが強化された。ネットワークダウンやアクセススピードダウンによる業務妨害を狙ったDoSおよびDDoS攻撃を軽減できる「TLS-CRYPT」に対応。事前共有鍵を使用し、全てのメッセージやユーザーデータを暗号化可能になったので、より安全な通信を提供可能になるという。

 また、セキュリティ対策ソリューション「AMF-SECurity」の機能拡張により、不正端末を検知した際に、従来の「隔離」「ログ」アクションに加え、「遮断」「リンクダウン」も設定可能になる。これにより、遮断目的のためだけにスイッチ製品を置く必要がなくなり、小規模な環境でもセキュリティ対策が容易になるとのこと。