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NEC、Facebookが計画・運用する大西洋横断光海底ケーブルの建設を開始

24ファイバーペアを採用し、長距離光海底ケーブルで世界最大容量を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は8日、米Facebookと、欧州と米国を結ぶ超大容量光海底ケーブルのシステム供給契約を締結し、建設を開始したと発表した。同ケーブルは、Facebookが計画・運用し、NECが建設を行う。また、NECとして初めて手掛ける北大西洋横断ケーブルになる。

 今回の光海底ケーブルでは、NECが新たに開発した48心(24ファイバーペア)の海底ケーブルを世界で初めて採用する。従来、中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルでは、ケーブル1本に収納する光ファイバーの数は最大でも32心(16ファイバーペア)程度だったが、48心ケーブルの採用により従来比1.5倍の伝送容量を実現し、毎秒0.5ペタビット(0.5Pbps)の設計容量を可能にする。中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルとしては、世界最大容量となる超大容量伝送だとしている。

 NECでは、近年、5Gの普及に伴うモバイルデータ通信量の増大や、各国でのデータセンター建設増加などを背景に、国際通信における回線需要の大幅な拡大が予想されており、特に欧州と米国を結ぶ北大西洋地域は、2021年~2035年の間にデータ通信量が約20倍になると予測されていると説明。こうしたデータ通信量の増加に対応するため、NECは光海底ケーブルの大容量化を進めている。

 NECは、のべ30万kmを超える敷設実績を持ち、陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステムインテグレータとして提供している。また、日本で唯一、深海8000mの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能な、NEC子会社の株式会社OCCが、今回のケーブルの製造を担当している。