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NEC、日本・グアム・オーストラリアを結ぶ光海底ケーブル「JGA」北セグメントの建設を完了

 日本電気株式会社(以下、NEC)は6日、2018年4月から建設を進めてきた日本・グアム・オーストラリアを結ぶ大容量光海底ケーブル「JGA (the Japan-Guam-Australia Cable System)」について、北セグメント(日本・グアム間、約2700km)の建設を完了し、米国のRAM Telecom Internationalに引き渡したと発表した。同ケーブルの設計容量は24Tbps以上。

 JGAは、最新の光波長多重伝送方式を採用した総延長距離約9500kmの光海底ケーブルで、アルカテルサブマリンネットワークス(ASN)とNECが共同で建設を請け負った。ASNが担当する南セグメント(グアム・オーストラリア間、約7000km)はすでに建設を完了し、2020年3月にRAM Telecom Internationalが主導するコンソーシアムに引き渡している。

光海底ケーブル「JGA」ルート図

 JGAは、グアムで他ケーブルに接続され、日本・オーストラリアと米国・アジア間の通信需要の増加への対応、ネットワークの冗長性の確保、信頼性の高い通信の実現に貢献するとしている。また、同ケーブルの建設・運用には、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の出融資や、NECキャピタルソリューション株式会社を含む日本企業からのシンジケートローンが活用されているという。

 NECは、過去50年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダーで、地球7.5周分のべ30万kmを超える敷設実績があり、特に日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有していると説明。陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、すべてをシステムインテグレータとして提供している。また、日本で唯一、深海8000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社である株式会社OCCが、今回のケーブルの製造を担当している。