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アライドテレシスがネットワーク製品を機能強化、BYOD管理機能などを提供

ルータ製品間でのDPI判定結果の共有にも対応

 アライドテレシス株式会社は8日、ネットワーク統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」において、BYOD管理機能管理機能などを搭載した新版「同 Ver.3.7.0」を提供開始すると発表した。あわせて、ネットワーク製品のファームウェア新版も提供され、複数台の無線LANアクセスポイントの設定をコントローラなしで同期する機能が強化されている。

AT-Vista Manager EX Ver.3.7.0で可能になる機能

 AT-Vista Manager EX Ver.3.7.0では、新たに、個人所有端末の業務利用を実現するBYOD管理機能「無線資産アドバンスド・コントロール(AWC-SDF)」を追加した。

 AT-Vista Manager EXの管理者が指定した無線端末の管理者が、ネットワーク利用者が入力する任意の情報と無線端末のMACアドレスをひも付けることにより、BYODの管理を実施できるようになるという。登録した情報や端末の接続状況は、GUI画面上で簡単に確認できるとのこと。

 例えば、同機能を学校で利用すると、指定画面から生徒に簡単な登録を行わせるだけで、BYODのMACアドレスと名前やクラスなど任意の情報とをひも付けて、管理者が管理できるようになるとしている。

 さらに今回は、パケットのデータ部を監視することにより、特定のアプリケーションによる通信をコントロール可能となる「DPI(ディープパケットインスペクション)」機能を、より広い製品間で共有可能とした。

 DPIによる判定は、従来「AT-AR3050S」「AT-AR4050S」の両ルータでのみサポートされているが、管理者の意図に基づき、ネットワーク管理の自動化・省力化を実現する「AIO(Allied Telesis Intent Based Orchestrator)」機能が拡張され、両製品で判定されたDPIの結果を、DPI未対応のスタンダードルータ「AT-AR2050V」や「AT-AR2010V」でも共有できるようになっている。

 DPIは例えば、指定したトラフィックのみを各拠点から直接インターネット側へ通信させ、拠点間通信やセンタールータなどの負荷を軽減するインターネットブレークアウトで利用されているが、このDPI判定結果の共有によって、拠点にスタンダードルータを配置する場合でもインターネットブレークアウトが利用可能になるとのこと。

TQシリーズ用ファームウェア Ver.6.0.1-7.1でスマートクラスター機能を拡張

 スマートクラスター(AWC-SCL)は、無線LANコントローラを使用せず、最大5台のアクセスポイント間で情報を同期させ、同一チャンネルで提供される無線LANサービスエリアを構築する機能だ。

 今回はこれが拡張され、電源を入れるだけで周囲のアクセスポイントを自動で検出し、自律的に設定を同期して、シングルチャンネルモードで無線LANを構築するようになった。設定を同期しているアクセスポイントのうち、どれか1つの設定を変更するだけで、その他のアクセスポイントも同時に設定変更が同期される。

 この仕組みにより、専任のネットワーク管理者がいないような場合でも、簡単にローミングレスの無線LAN環境を構築することが可能になるとした。なお現時点では、無線LANの自律型最適化機能「AWC(Autonomous Wave Control)」機能との併用はサポートされていない。

 アクセスポイントは「AT-TQ1402」が対象となる。

【9/10 訂正】
  • 初出時、「AT-TQm1402」を対応アクセスポイントに含めておりましたが、アライドテレシスが対応機種を訂正したため、本記事も記載を変更しました。