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SD-WAN環境の管理・運用を容易に――、アライドテレシスが管理ソフト「AT-Vista Manager EX」をバージョンアップ

 アライドテレシス株式会社は15日、統合ネットワーク管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」の新版「同 Ver.3.5.0」を提供開始すると発表した。また、新版で利用可能となる機能を対象としたオプションライセンスの出荷を、1月18日より開始する。

 AT-Vista Manager EXは、有線LANと無線LANに加え、さまざまなIoT機器も集約して管理できる統合管理ソフトウェア。ネットワーク構成が一目で分かるマップ機能など、見える化機能を搭載しているほか、無線LAN環境の自動調整によって安定した高速通信を支援する機能も搭載しており、手間のかからないネットワークの運用・管理を実現しているという。

 今回の新版では、インテントベースマネジメントを実現する「Allied Telesis Intent Base Orchestrator(AIO)」対応ルータを利用し、SD-WAN環境の管理・運用を容易に実現可能にする新機能が提供される。

 AIOでは、ネットワーク運用状態を自動的に監視し、情報収集と分析を行ったうえで、ネットワーク運用状態に問題点や課題がある場合は、その改善方法をGUI上で可視化してくれる。このためネットワーク管理者は、専門知識を必要とする技術的な改善方法を自ら調査・検討しなくとも、AIOが提案する改善方法を確認し意思決定を行うだけで、ネットワークを最適な状態で管理できるという。

 例えば、センター側のルータが複数の拠点ルータと相互接続されている環境において、センター側が受けるトラフィックが集中した場合、センター側の輻輳(ふくそう)を回避するために、AT-Vista Manager EXが自動で拠点側ルータの設定を変更し、センター側へのトラフィック量を調整してくれる。

 また、複数拠点とセンター間のWAN回線はVPNを利用して安全性を保つことが一般的に行われているが、拠点間同士の通信の度にセンターサイトを経由して通信を実行すると、センター側に通信が集中するためネットワーク全体の品質低下につながってしまうことがある。

 こうした場合は、拠点間同士の通信をセンター側に通さないVPNトンネルを構築すれば、ネットワークの品質を一定に保つことが可能となるが、AT-Vista Manager EXの新版では、管理画面の1つ「トポロジーマップ」画面において、VPNトンネルを構成したいルータ間にマウス操作で線を引くだけでトンネルを設定できるようにした。。

 従来、VPNトンネルの構成には高度な専門知識と複雑な設定作業を必要としていたため、ネットワーク管理者の作業負荷となっていたが、この機能を活用すれば、セキュアで安定したWAN回線の構築を自動化できる「ダイナミックVPN」が簡単に実現可能とのこと。

 さらに昨今では、クラウドサービスでメールやオンライン会議を利用する際、その利用頻度の高さから、WANおよびインターネット通信を圧迫し、ネットワーク全体の品質が低下してしまうことも多くなってきた。

 こうした課題に対処するため、今回はトラフィックマップ画面からアプリケーションごとの通信優先度を「高・標準・低」の3段階で設定できるようにした。トラフィックマップ画面で通信状況が可視化され、確認と設定を同一画面で実行できるほか、複雑な設定は不要で、通信優先度に基づいて自動的に通信優先度の制御を行えるとしている。

 なおAIOを利用するためには、AT-Vista Manager EX本体に加えて、利用期間に応じたオプションライセンスが別途必要となる。価格例(税別)は、1年が6万円、5年が18万円、7年が21万円。