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デル、第3世代Xeon SP搭載の新世代「PowerEdge」サーバー5製品を販売開始

日本での新たなサーバービジネス拡大施策も発表

 デル・テクノロジーズ株式会社は19日、3月18日に発表した新世代「Dell EMC PowerEdge」サーバー17製品のうち、発表と同時に出荷開始した第3世代AMD EPYCプロセッサ搭載モデルに続き、新たに第3世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサ(Xeon SP)搭載の5製品を販売開始したと発表した。

 同日には、新世代「Dell EMC PowerEdge」サーバーの製品概要やイノベーションのポイント、および日本での新たなサーバービジネス拡大施策についてオンライン説明会が行われた。

 新世代の「Dell EMC PowerEdge」サーバーは、先進テクノロジーの効率的かつ適材適所のビジネス活用を推進する「アダプティブ コンピュート」、独自のインテリジェンスでインフラ運用の完全な自動化を加速する「自律型コンピュート インフラ」、強固なセキュリティを製品からサプライチェーンまでエンドツーエンドで提供する「プロアクティブ レジリエンス」という3つの設計思想に基づいて開発され、エッジ、コアデータセンター、クラウドのIT環境で顧客企業のイノベーションエンジンになることを目指している。

 また、コンポーネントの共通化や発熱の抑制努力による環境への配慮により、同社全社の持続可能性(サステナビリティ)向上への取り組みの一端を担っているという。

新世代「Dell EMC PowerEdge」ファミリー

 デル・テクノロジーズ 執行役員 副社長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の松本光吉氏は、SDGsの取り組みについて、「当社はProduct Carbon Footprintの削減を推進しており、サーバー製品では、2012年から2020年の8年間で、エネルギー強度(生涯メガワット時/提供された性能)を約80%低減している。特に、『Dell EMC PowerEdge』サーバーは、設計から開発、製造、流通、設置、運用、廃棄に至るまでライフサイクル全体で環境に配慮し、持続可能性を向上している。例えば、主要コンポーネントの標準化・共通化によりエコロジーを追求し、有害廃棄物を大幅に抑制するサステナブルな設計となっている。さらに、正確なPCleエアフロー設計や、カスタム設計のヒートシンクとファン、最適なエアフローと熱流のためのバランスの取れた内部レイアウトなど、熱制御への多面的アプローチによりCO2削減を図っている」と述べた。

デル・テクノロジーズ 執行役員 副社長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の松本光吉氏

 今回販売開始した第3世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサ搭載のデータセンター向けサーバーのラインアップは、ラック型サーバーの「PowerEdge R650」、「PowerEdge R750」、AI/ML(機械学習)のためのGPUサーバー「PowerEdge R750xa」、マルチノード型サーバー「PowerEdge C6520」、モジュラーサーバー「PowerEdge MX750c」の5機種。すでに出荷中の第3世代AMD EPYCプロセッサ搭載の新製品と同様に、さまざまな独自イノベーションを備えている。

新世代「Dell EMC PowerEdge」サーバーのポートフォリオ

 デル・テクノロジーズ 製品本部 シニア・プロダクトマネージャー データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の岡野家和氏は、冷却と熱管理のイノベーションとして、「マルチベクター クーリング 2.0」について説明。「マルチベクター クーリング 2.0は、排熱とエアフローを考え抜いたハードウェア設計となっている。冷却ファンには、標準の冷却ファンに加え、『Gold』と『Silver』の高性能ファンを投入。アーム部には、高性能ヒートパイプを内蔵した『T字型』のヒートシンクを新たに採用した。また、システムボードのレイアウトは、エアフロー向上のため2基の電源を両端に分離し、左右均等に配置している」とした。

デル・テクノロジーズ 製品本部 シニア・プロダクトマネージャー データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の岡野家和氏

 さらに、マルチベクター クーリング 2.0では、最新世代iDRAC(統合リモートアクセス管理)によってインテリジェントな冷却と自律型の電力制御に対応。革新的な電力管理ソフトウェアとの組み合わせによる温度と熱、エアフロー、電力消費の可視化とその制御能力を、システム単位、ラック単位、さらにデータセンターレベルで発揮する。これにより持続可能な消費電力の抑制を実現する。

「PowerEdge R750」の内部構造

 自律型インフラのイノベーションでは、将来の完全な自動化に向けて取り組みつつ、実現済みの自律機能として、ゼロタッチプロビジョニングによる高速システムの導入や、コンプライアンスベースの構成自動修復、ポリシーベースのアラート対応アクション、障害の自動通報など、豊富な機能を実装している。

 セキュリティのイノベーションでは、独自のサプライチェーンセキュリティ「Secured Component Verification(SCV)」によって、製品開発から納品までエンド・ツー・エンドのサプライチェーンセキュリティを実現した。「『SCV』は、当社の製造工場から出荷されたサーバー製品が、輸送途中で改ざんや不正アクセスにあっていないことを、納品直後に暗号化されたデジタル署名により検証できる仕組み。納品するハードウェアが、工場出荷後に不正アクセスにあっていないことを証明できるサーバーベンダーは当社のみ」(岡野氏)としている。

 新製品5機種の税別価格(インテルXeon Gold 6330搭載時)は、「PowerEdge R650」が118万5467円から、「PowerEdge R750」が135万6398円から、「PowerEdge R750xa」が308万3347円から、「PowerEdge C6520」が141万2706円から、「PowerEdge MX750c」が139万1292円から。

 また今回、5機種の販売開始に合わせて、日本における新たなサーバービジネス拡大施策も発表した。デル・テクノロジーズ 執行役員 製品本部長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の上原宏氏は、「新世代Dell EMC PowerEdgeサーバーのビジネス拡大に向けて、『AI/ML』、『Edge』、『サポート』の3つの領域で新たな施策を実施する。『AI/ML』では、業界屈指のAccelerated Computingポートフォリオを活用しAI/MLのニーズに対応する。また、マッチングサービス『Dell de AI~デル邂逅(であい)プログラム~』によってAIスタートアップ企業を支援していく。『Edge』では、サーバーと求められる周辺機器をセットにしたレンタルパックなどで、Edge向けのバンドル提案を加速する。『サポート』では、自律型保守サービス『SupportAssist』でさらなる運用効率の改善を図っていく」との考えを示した。

デル・テクノロジーズ 執行役員 製品本部長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の上原宏氏

 具体的には、AI/ML向け施策として、新製品「PowerEdge R750xa」を含むGPUサーバーポートフォリオと各種GPU、そしてVMware vSphere BitfusionやNVIDIA MIGといったGPU活用のための最新テクノロジーの検証環境を、「AI Experience Zone」(東京都港区)と「HPC&AI Innovation Lab」(テキサス州オースティン)に用意した。

 また、AIビジネスを展開している顧客と、これからAIをビジネスに活用していきたい顧客のマッチングサービス「Dell de AI ~デル邂逅(であい)プログラム~」を開始する。さまざまな専門分野でのAIのコンサルティングや構築サービス、アプリケーション開発を行うデル・テクノロジーズの顧客と、これからAIのビジネス活用を始める顧客企業とを、同社がHubとなりつなげるための新しい取り組みとなる。

「Dell de AI ~デル邂逅(であい)プログラム~」の概要

 Edge向け施策では、デル・テクノロジーズのサーバー、ストレージ、ネットワーキング製品と他社製ソリューションをワンストップで提供するテクノロジーパートナープログラム「Extended Technologies(ET)」を活用して、各社のEdge向け製品を、今年第2四半期に販売開始予定の高耐久サーバー「PowerEdge XR11」と「XR12」や、その他「PowerEdge」サーバーにバンドルするソリューション提案を加速する。この第1弾として、APCのエッジ環境用ラックとUPS、SonicWallのファイアウォール、Ruckusの無線アクセスポイントをサーバーにバンドルしたレンタルパッケージを「PowerEdge」Edgeレンタルパックとして、月額5万円台から提供開始する。

「PowerEdge」Edgeレンタルパックの概要