ニュース

最新CPUのメリットをフル活用――、デルが第2世代AMD EPYC搭載のPowerEdgeサーバーを発表

 デル株式会社およびEMCジャパン株式会社(以下、Dell Technologies)は18日、第2世代のAMD EPYCプロセッサ「AMD EPYC 7002」を搭載した新サーバー「Dell EMC PowerEdge」シリーズ5機種を発表した。

 AMD EPYC 7002は、開発コード名「Rome(ローマ)」と呼ばれているもの。これにちなんで、記者発表会はイタリアンレストランにて開催された。

PowerEdge新製品

 新PowerEdgeは、「Rome用に新たに製品を設計した」と、デル 製品本部 シニアプロダクトマネージャの岡野家和氏は語る。すでに他社もRomeを搭載したサーバーを発表しているが、「他社製品はEPYC 7001(開発コード名:Naples)のシステムボードを利用していることから『Rome on Naples』と呼ばれ、3200MHzメモリやPCI Express Gen4には対応していない。こうしたRomeのメリットをフル活用するために、PowerEdgeは『Rome on Rome』を新たに設計した」と岡野氏は説明している。

デル 製品本部 シニアプロダクトマネージャ 岡野家和氏
新製品は「Rome on Rome」に向けて設計

 会見には日本AMD株式会社 代表取締役の林田裕氏も登場。「Romeは、64コアという過去にない規模のCPUコア数がひとつのチップに入っており、Javaやビッグデータ、ハイパフォーマンスコンピューティングなど、さまざまなアプリケーション分野で80種の世界記録を樹立した」とアピール。

 Intel製プロセッサとの性能差についても、「Romeの1ソケットでIntel Xeonの2ソケットとほぼ同じ性能が出せる」としており、Rome搭載サーバーに置き換えることで総所有コスト(TCO)が約半分にまで削減できた事例もあるとした。

さまざまな記録を達成した第2世代AMD EPYC
第2世代AMD EPYCによって実現するTCOの削減
日本AMD 代表取締役 林田裕氏

 新PowerEdgeでは、サーバーの基本性能も強化している。高負荷用途に向け、ライザーオプションを強化したほか、オンボードNICをOCPメザニンへと変更した。また、エアフローを改善し、2ソケットサーバーの内部デザインは左右バランスを意識して設計した。今後、水冷モデルもリリースする予定だという。

エアフローを改善

 管理ソリューション「Dell EMC OpenManage」の機能も拡張し、他社の管理ツールとの統合も強化した。例えば「Microsoft Windows Admin Center」との統合により、Windows環境におけるPowerEdgeサーバーがネイティブで管理可能となった。また、ServiceNowを活用したITサービス管理の自動化にOpenManageを統合し、ハードウェアとサービスの管理を一体化している。

 さらに、「OpenManage Secure Enterprise Key Manager」によるデータ保護機能を追加した。これにより、暗号化ドライブのキー管理を一元化し、データ保護能力が向上するという。

管理性も向上した
OpenManage Secure Enterprise Key Managerについて

 デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 執行役員 製品本部 本部長の上原宏氏は、「新PowerEdgeは、セキュリティやコンプライアンス、コストとパフォーマンスの良さ、そして管理性の高さといった顧客ニーズにすべて対応できるものだ」と話す。上原氏によると、同社が提供するサーバー製品の中で、AMDが搭載されている製品のシェアはまだ数%にすぎないというが、「第1世代AMD EPYC搭載機の導入は、ウェブ関連企業を中心に進んでいる。今回の新製品で新たな領域のユーザーにもアプローチし、AMD搭載機の比率を2けた台にまで高めたい」としている。

デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 執行役員 製品本部 本部長 上原宏氏

 新製品の「PowerEdge R6515」と「PowerEdge R7515」は、同日より提供開始する。価格は、PowerEdge R6515が81万9180円からで、PowerEdge R7515が89万4530円から(価格はいずれも税別)。「PowerEdge R6525」と「PowerEdge C6525」は10月に提供開始し、「PowerEdge R7525」は2020年はじめに提供開始する予定だ。