週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】IOWNとは
2026年2月10日 06:00
NTTが構想し、開発を進めている次世代通信技術・基盤のことで、「Innovative Optical & Wireless Network」の略称。読みは「アイオン」。機器間の通信において、電気ではなく、全面的に光を利用するのが最大の特徴とされる。なお、用語としてはNTT株式会社によって商標登録されている。
一般家庭向けの光ファイバー回線に代表されるように、通信の世界では現状でも光通信が利用されている。だがこれは部分的なもので、例えば一般住宅では電柱から光ファイバーを引き込み、これを専用装置によって電気信号に変換し、その上でPCやスマートフォンと通信している。
光から電気への変換の手間をなくし、一切を光だけで通信しようというのが「オール・フォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、APN)」技術であり、IOWNの中核要素と言える。光は電気に比べてエネルギー効率が高く、また電気信号への変換がなければ通信遅延の抑制でも有利になる。ちなみにPhotonicsとは「光工学」と一般に訳される。
IOWN構想が対象とする領域は幅広い。エネルギー効率向上によって電子機器のバッテリー連続駆動時間が飛躍的に伸びるといった身近なところから、超・大容量通信によってサイバー空間上のシミュレーションを円滑化する「デジタルツインコンピューティング(DTC)」などが想定されている。
データセンターの領域でもIOWNを巡る動きは広がっており、おもに拠点間通信での実証実験が各地で行われているようだ。北海道石狩市で2026年春竣工予定のデータセンターでは、東京・大手町との間でIOWNにおけるAPN導入が決定している。
IOWN構想が発表されたのは2019年。翌2020年にはNTT、インテル、ソニーとともに普及団体「IOWN Global Forum」を結成し、現在は約170の組織が参画している。ITU(国際電気通信連合)の専門部門とも連携し、国際標準化に向けた動きも進められている。NTTでは2030年までにIOWNが“広く普及する”ことを目指しているという。