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アライドテレシスとテルモ、“医療機器の迷子”対策で協業

医療用IoT機器の位置情報を可視化し運用管理を支援する機能を共同開発

 アライドテレシス株式会社とテルモ株式会社は22日、医療用IoT機器の位置情報をネットワークで可視化し、円滑に運用管理する環境を共同開発したと発表した。

 病院などの医療施設ではさまざまな医療機器が利用されているが、繁忙を極める医療現場では”医療機器の迷子”が多発し、在庫数の管理が適切に行えない事態になっていると。このため、法に則って適切なメンテナンスが必要となる医療機器において、メンテナンス対応状況が把握できない、そもそもメンテナンスが行き届かないなどの恐れを内包しているとのこと。

 これを解決するために、医療機器にBLEビーコンタグを取り付けて追跡する方法もあるが、医療機器の数だけBLEビーコンタグを購入して各機器との付け合わせを行ったうえで、専用の管理ツールによって管理を行う必要があるので、導入と管理において工数・コストが掛かってしまう点が課題だったという。

 こうした点を踏まえ、アライドテレシスとテルモはお互いの技術情報の共有を実施。無線LANへの接続機能を搭載したテルモ製輸液システム「スマートインフュージョンシステム」(スマートポンプ)のMACアドレス情報を、アライドテレシス製ネットワーク統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」に取り込むことにより、スマートポンプの位置情報測位と可視化を可能とする共同検証と開発を実施した。

 具体的には、AT-Vista Manager EXが持つ、ネットワーク機器と接続端末の全体が可視化可能な「統合マップ」上にて、「スマートポンプのアイコン一括表示変更と可視化」「無線LANアクセスポイントを介し接続されたテルモ製スマートポンプの位置測位」に対応。この結果、院内で所在不明となっていたテルモ製スマートポンプの位置情報をAT-Vista Manager EXの統合マップ画面上で把握でき、機器管理が容易になった。

 なおアライドテレシスは海外拠点を含む複数拠点において、テルモは研修施設プラネックスにおいて、体験デモ環境を構築する予定。また、今後は営業体制においても協力関係を築き、グローバルで医療機関への導入推進を図るとしている。