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エクイニクスはネットワークやサーバーなど、必要なものをすぐに提供する「デジタルインフラ企業」へ~小川新社長会見

 エクイニクス・ジャパン株式会社は19日、5月にエクイニクス・ジャパンの代表取締役社長に就任した小川久仁子氏による記者説明会を開催した。小川氏は、ハイパースケーラー向けデータセンターへの投資を行っていることや、新たに開始するベアメタルサービスなどを紹介。エクイニクスは、データセンター企業からデジタルインフラ企業へと役割が変化していくといった方向性を語った。

 小川氏は、1989年に日本IBMに入社し、同社のトランスフォーメーション&オペレーションバイス・プレジデント、ストラテジック・アウトソーシング・デリバリーバイス・プレジデントを歴任。2015年にはマクロミルの執行役グローバルCTOに就任しており、2020年5月にエクイニクス・ジャパンの代表取締役に就任した。

エクイニクス・ジャパンの小川久仁子社長

 小川氏は日本の現状について、スイスのIMD国際競争力研究所によるデジタル競争力ランキングを紹介し、日本は全体で27位、特に「ビッグデータ活用」「デジタル人材のグローバル化」「企業の変化迅速性」の項目では63カ国中最下位だったと説明。依然として日本はデジタル活用においては遅れていると語った。

 一方で、新型コロナウイルス感染症の流行により、外出する人数は減り、Zoomのユーザー数は急拡大するなど、「すべてはFaceless、Touchless、バーチャルへ」移行していると説明。ネットワークにつながっていないと物事が進まないという形に変わっており、インターネットはより一層重要なポジションになっているとした。

 エクイニクスは、1998年にインターコネクション(相互接続)のための企業として創業し、さらにそこからコロケーションなどデータセンター事業を展開してきた。このため、エクイニクスではデータセンターを「International Business eXchange(IBX)」と呼んでおり、単なるデータセンターではなく、つながってこそ価値があるという考えに基づいているとした。

 エクイニクスの業績については、70四半期連続で増収を続けており、コロナ禍でも堅調な業績を維持していると説明。現在では世界56都市圏、214以上の拠点でのデータセンターを運営しており、コロケーションでは世界シェア13%を獲得。日本においては東京に11拠点、大阪に2拠点のIBXデータセンターを運営しているとした。

70四半期連続で増収

 さらに、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureといった大手クラウドベンダー(ハイパースケーラー)の旺盛なデータセンター需要に対応するため、ハイパースケーラー向けのデータセンター「xScaleデータセンター」への投資も進めていると説明。日本においても、東京に2カ所、大阪に1カ所のxScaleデータセンターを建設する予定で、このうち東京の1カ所目となる「TY12x」データセンターは2020年12月に、大阪の「OS2x」データセンターは2021年第1四半期にサービスを開始する予定だとした。

ハイパースケーラー向けの「xScaleデータセンター」を日本にも建設

ベアメタルサービス「Equinix Metal」を提供

 新たなサービスとしては、物理サーバーリソースを提供するベアメタルサービス「Equinix Metal」の提供を発表している。エクイニクスが2020年3月に買収した米Packetの技術を活用し、ユーザーの要望に応じて物理サーバーリソースをソフトウェアのように即時展開できるようにするサービスとなる。

 Equinix Metalは、現在、世界の4都市(アムステルダム、ニューヨーク、シリコンバレー、ワシントンDC)にあるIBXデータセンターで利用でき、2021年初頭までには14の都市で利用が可能になる予定としている。

 小川氏は、エクイニクスはインターコネクションサービスの提供から始まり、顧客の要望に応える形でデータセンターサービスも提供してきたが、今後はさらにルーターやスイッチ、ファイアウォールなどネットワークに必要な機能を提供するエッジサービスや、サーバーリソースなどを提供していくと説明。エクイニクスは、企業がデジタル化を推進するために必要とするリソースを提供していく「デジタルインフラ企業」へと進化していくとした。

 さらに、これらの機能を一元管理できるオーケストレーションツールも提供し、すべてをクリックだけで約15分で構築できるようにすると説明。エクイニクスに接続するだけで、デジタルビジネスに必要なリソースを提供できるようにしていきたいとした。

 小川氏は、ベアメタルサービスも顧客からの要望に応じて提供を開始するもので、既存のコロケーションサービスからベアメタルサービスへの移行を促すといったことはなく、顧客の要望次第だと説明。「顧客の要望を徹底的に聞き、提供していくのがエクイニクスのやり方」として、今後も顧客が求めるサービスを提供していきたいと語った。

Platform Equinixの進化