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京急、グループ共通のデータ分析基盤をウイングアークのクラウドサービスで構築
2020年7月10日 15:25
ウイングアーク1st株式会社は9日、京浜急行電鉄株式会社(以下、京急)が、BIダッシュボード「MotionBoard Cloud」、文書データ活用ソリューション「SPA Cloud」、データ基盤ソリューション「Dr.Sum Cloud」、データ提供サービス「3rd Party Data Gallery(3PDG)」を導入したと発表した。京急では、これらのサービスを活用することにより、グループ全体でデータを集約・分析するためのデータ分析基盤「KIDDS(Keikyu group Integrated Data Driven System)」を構築したという。
鉄道に加えて、不動産、レジャーサービス、流通などさまざまな事業を展開する京急グループでは、経営課題である沿線地域の少子高齢化に立ち向かうため、全社で保有するデータをエリアマーケティングに活用する、データドリブン戦略の推進を目指している。
その同社はこれまで、グループ各社・社内各部署の担当者がそれぞれ、膨大な時間をかけてExcelでデータ分析を行っており、参照しているデータソースや分析粒度がそれぞれ微妙に異なることもあって、グループを横断して議論を行う際には、前提としているデータのすり合わせがまず必要だったという。
さらに、分析業務を分析担当部門で請け負う取り組みも行ったが、分析担当者はその業務を完全に把握しているわけではないため、依頼者の意図をくみ取りきれず、スムーズに進められないことも多くあったとのこと。
そこで、埋もれてしまっている貴重なデータをグループ全社で自由に活用する目的で、業務を熟知しているグループ全社の担当者が、ストレスなくデータ抽出から分析までを自ら行えるデータ分析基盤の実現を目指し、京急グループ統合データシステムの「KIDDS」を構築している。
「KIDDS」は、ウイングアーク1stの4つのクラウドサービスによって構築され、2020年1月より稼働を開始した。国内の1社が提供するサービスを採用しているため、データ蓄積からレポートなどの文書出力まで一元的かつシームレスに実現できるほか、シングルサインオンによってシームレスにシステムへのアクセスが可能。クラウドサービスを基盤として利用することにより、オフィスの場所やアクセス環境の異なるグループ全社で利用できる環境となっている。
また、専門性の高いスキルを持たない現場の担当者でも、沿線地域の商圏分析をはじめとした高度なデータ分析に取り組めるだけでなく、国勢調査や経済センサスなど、第三者データをまとめて調達できる3PDGを活用することで、分析に用いるデータをグループ内で統一できる点もメリットとした。
このシステムの導入によって、京急グループ全体でデータを集約・分析するためのデータ分析基盤が整備でき、データの可視化と戦略的なデータ分析が行えるようになったとのこと。さらに、迅速な分析やレポート作成が可能となり、議論に時間がかけられるようになった。
なお今後は、データ資産の横断利用の第一歩として、有効会員数約90万人を抱える京急プレミアポイントカードデータの活用促進なども検討しているとのことだ。