ニュース

NTT Com、KDDI、楽天モバイル、ソフトバンクの4社、北海道と秋田県を結ぶ光海底ケーブルの共同建設協定を締結

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)、KDDI株式会社、楽天モバイル株式会社、ソフトバンク株式会社の4社は、北海道と秋田県を結ぶ大容量光海底ケーブルを建設することに合意し、共同建設協定を締結したと発表した。また、日本電気株式会社(以下、NEC)が、同ケーブル敷設プロジェクトのシステム供給契約を締結したことを発表している。

 敷設する光海底ケーブルは、北海道小樽市から秋田県秋田市をつなぐ、総延長約770kmのケーブルで、2023年末の完成を予定。最先端の光波長多重伝送方式を採用することで、160Tbps(テラビット毎秒)以上の設計容量を実現する。

北海道と秋田県を結ぶ光海底ケーブルルート図

 NTT Comでは、同ケーブルを敷設することで、すでに保有しているルートと合わせて、北海道と本州間で3ルートによる冗長構成をとることが可能になると説明。また、これにより、日本全国の主要拠点をつなぐネットワークの3ルートによる冗長構成が実現され、自然災害など、予期せぬ事態においても、さらに安定したネットワークサービスを提供できるとしている。

 KDDIでは、長年にわたる海底ケーブル建設・運用保守のノウハウを生かし、海底ケーブルの建設推進・安定運用に努めていくと説明。3ルートに分散されている北海道から本州間のネットワークのうち、1ルートを同ケーブルに移行することで、安定したネットワークサービスの提供を維持し、既存ネットワークを大容量化する。また、北海道~本州間のネットワーク強靭化に合意した国内企業4社が連携して、ケーブルの建設を行うとしている。

 楽天モバイルでは、同社初となる光海底ケーブルの建設により、5Gをはじめとする、高速・大容量通信ネットワークの普及に伴うトラフィック増加への対応、また、大規模災害発生時における当社ネットワークの冗長性を強化することを目指すと説明。また、協定の締結に基づく共同建設により、ケーブルをコスト効率よく敷設することが可能になるとしている。

 ソフトバンクでは、光海底ケーブルの建設により、近年激甚化する気象災害や巨大地震に備えて、高速・大容量の基幹ネットワークの冗長性を増強でき、これまで以上に防災や減災に貢献する、盤石な通信インフラの構築を進めていくと説明。また、5Gをはじめとする高速・大容量の通信サービスだけでなく、IoTやAI、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの最先端テクノロジーやサービスを活用した、新しい産業を創出するデジタル基盤として、地域社会の活性化(地域創生)にも貢献していくとしている。

 NECでは、過去50年以上にわたって海底ケーブルシステム事業を手掛けており、地球7.5周分、のべ30万kmを超える敷設実績があり、グローバルに事業を展開していると説明。海底ケーブルや海底中継器、陸上に設置する伝送端局装置などの製造、海洋調査とルート設計、据え付け・敷設工事、訓練から引き渡し試験まで、全てをシステムインテグレーターとして提供している。また、海底ケーブルはNECの子会社である株式会社OCCで、海底中継器はNECプラットフォームズ株式会社で製造している。