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NTTドコモ、自社のクラウド基盤と5G端末を直結する「クラウドダイレクト」を提供

5GによるMECへの閉域接続サービス

 株式会社NTTドコモは6月30日、ドコモのネットワーク網と接続したクラウドコンピューティング設備(以下、クラウド基盤)を用いたサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプションとして、接続端末とクラウド基盤を直結して通信経路を最適化することで、5Gによる低遅延・高セキュリティ通信を実現する「クラウドダイレクト」を提供すると発表した。東京、大阪、神奈川、大分の4拠点において、同日より提供を開始する。

 「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、ドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築し、低遅延・高セキュリティ通信を実現するMEC(Multi-access Edge Computing)を活用したソリューションが利用できるクラウドサービス。

 今回の「クラウドダイレクト」では、5G通信端末と「ドコモオープンイノベーションクラウド」のクラウド基盤間の通信経路を最適化し、伝送遅延の低減を実現する。また、ドコモのネットワークとクラウドを閉域網によってダイレクトにつなぐため、インターネットなど他ネットワークからのアクセスを防止でき、高いセキュリティを保てる点も特徴という。

 さらに「クラウドダイレクト」の管理機能として、モバイル回線の接続先クラウド拠点をユーザー自身が柔軟に変更できるネットワークオンデマンド機能を提供する。接続端末の位置に近いクラウド拠点を接続先に選択することで、さらなる伝送遅延の低減が期待できるとのこと。

 NTTドコモでは、これらの特徴により、映像伝送や遠隔操作といった大容量データ通信のさらなる低遅延化を実現するとともに、画像やドキュメント、デザインなど、秘匿性の高いデータのセキュリティを確保可能になるとアピールしている。

 「クラウドダイレクト」の料金(税別)は、初期費用が1接続あたり3万円、月額利用料が1接続あたり3万5000円。利用にあたっては、「クラウドダイレクト」専用の5G回線の契約が必要となり、通信端末なども別途用意する必要がある。

 なお「クラウドダイレクト」により、AIを活用する「ドコモ画像認識プラットフォーム」を使ったソリューションや、パートナーとドコモの商材を組み合わせ、ワンストップでドコモが提供する4つの5Gソリューションなどが、「ドコモオープンイノベーションクラウド」に対応するとのこと。

 後者については、製造機器一括分析ソリューション「FAAP」、遠隔共同制作ソリューション「Virtual Design Atelier」、点群データ活用ソリューション「Field Simulator」を6月30日より提供。遠隔作業支援ソリューション「AceReal for docomo」も7月中旬以降に提供を開始する予定だ。