ニュース

神戸大学やドコモ、NTT Comなど5者、混雑した5G環境における遠隔ロボット手術支援の実証実験に成功

 国立大学法人神戸大学、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、株式会社メディカロイド、神戸市の5者は24日、無線の混雑環境下において、若手医師のロボット手術を熟練医師が遠隔で支援する実証実験に、国内で初めて成功したと発表した。なお通信環境としては、5G SA(スタンドアローン)の商用ネットワークにおいて、混雑エリアや時間帯においても安定した通信を実現するモバイルネットワークサービス「5Gワイド」を活用している。

 今回の実証実験では、兵庫県神戸市の統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP)に、メディカロイド製の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ) サージカルロボットシステム」(hinotori)と、遠隔操作用のサージョンコックピットを配置して、川崎拠点の商用5G SAおよびクラウド基盤(docomo MEC、MECダイレクト)で接続した。

 また、実運用時のネットワーク環境を想定し、複数台の5G端末から大容量データ伝送を行い、上りの無線通信の混雑環境を構築した上で、「5Gワイド」を用いる場合と用いない場合での、医師による遠隔ロボット手術支援の主観評価、および無線などのログデータを取得して客観評価を実施している。

 その結果、一般の5G回線では、混雑環境下において医師がスムーズにロボットを制御できなかったり、手術映像が乱れたりなど、手術支援を円滑に進めることができないケースがあったものの、「5Gワイド」を利用した場合は、大容量データを伝送する5G端末を増やし、外部トラフィックが大きい場合においても、ロボット制御や映像伝送に影響が出ることなく、安定して遠隔ロボット手術支援を行えることを確認したという。

 なお、神戸大学、ドコモ、NTT Com、メディカロイド、神戸市の5者は、5Gを活用した遠隔ロボット手術支援ソリューションの実用化を目指して、臨床利用を想定した技術・機能の開発や、ロボット手術トレーニングなどの検証を進めていくとのこと。