NTTドコモの低遅延クラウド「オープンイノベーションクラウド」、大阪や神奈川、大分の各拠点を開設

　株式会社NTTドコモは29日、自社ネットワーク網と接続したクラウド設備を用いて提供している「ドコモオープンイノベーションクラウド」の提供拠点を拡大すると発表した。従来の東京に加えて、5月29日より大阪、神奈川、大分の各拠点を開設する。また拠点拡大にあわせて拠点間接続の提供を開始するほか、トレンドマイクロのソリューションを利用したネットワークセキュリティサービスの提供拠点も拡大するという。

　「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、5G時代に求められる低遅延や高セキュリティなど、MEC（Multi-access Edge Computing）の特徴を持つクラウドサービス。NTTドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築することで実現されている。

　2020年3月に先行して東京拠点が開設されていたが、今回は大阪、神奈川、大分の各拠点を追加し、複数拠点での利用を可能にした。大阪拠点は東京拠点と同様、シンプルで自由度の高いOpenStackベースのクラウド基盤「Compute O」に対応。神奈川、大分の両拠点は、可用性が高く負荷分散機能を持つVMwareベースのクラウド基盤「Compute V」を利用できる。

　これにより、クラウド上に構築したいシステムに応じて拠点を選択可能となるほか、各拠点を接続する拠点間接続機能により、拠点間のデータ同期やバックアックなどにも対応するため、クラウドサーバーの冗長化を実現するとのこと。

　仮想マシンインスタンスの料金は、大阪が月額4000円（税別）から、神奈川と大分は月額5500円（税別）から。

　さらに、クラウド基盤上のシステムとデバイスの通信状況やセキュリティ状況を可視化して、セキュリティ脅威から保護するオプションサービスも、新規開設拠点で利用可能とし、新たな料金体系で提供する。新価格は、1vCPUあたり月額500円（税別）。

　なおNTTドコモでは、クラウド基盤は、同社が開発した「ドコモ画像認識プラットフォーム」などの技術や、自社およびパートナーが提供する映像伝送、VR・ARなどのソリューションに対応し、5G時代のソリューション／サービスに広く活用されることが期待されているとアピール。クラウド基盤に対応するソリューションは順次拡大するとしている。