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NTT-ATが「WinActor 6.3」を提供、新たな画像認識機能でシナリオ作成を効率化
管理サーバーやsyslogサーバーへの操作ログ送信にも対応
2020年3月3日 12:24
NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)は3日、RPAソフトウェア「WinActor」において、画像認識機能「WinActorEye」などを搭載した新版「同 Ver.6.3」を発表した。3月4日より販売を開始する。
WinActorは、NTTアクセスサービスシステム研究所で研究開発された技術をベースに、NTT-ATが製品化した純国産のRPAソフトウェア。WindowsアプリケーションやWebアプリケーションで行うさまざまな操作を「シナリオ」として記録し、自動化することができる。
新たに搭載するWinActorEyeでは、従来の画像認識機能に加え、複数の探索条件を多段に組み合わせ、目的のアイコンやUIを特定できるようにした。この機能が保有するヒストグラム検索技術により、画面の拡大・縮小への対応が強化されたほか、Microsoft OCRのスクリーンOCR機能により、画面上の文字をテキストに変換して読み取ることができる。
これにより、画面を今までより正確に把握でき、シナリオを変更することなく、Webページやアプリケーションの予期せぬ画面変化に追従可能になるため、運用時のつまずきが削減されるという。
また、大規模エンタープライズでのRPA運用において、監査などのガバナンス強化に役立つ操作ログ送受信機能も搭載した。WinActorで行われた実行操作・保存操作のログを、WinActorの管理サーバー(WinActor Manager on Cloud、 WinDirector powered by NTT-AT)上にセキュアに保存できるので、WinActorが「いつ」「何をしたか」の事後検証が可能になるとのこと。
同機能を利用するには管理サーバー側のアップデートも必要となり、「WinActor Manager on Cloud Ver.3.1」は3月16日に対応する予定。「WinDirector powered by NTT-AT」の対応版は、2020年春のリリースを予定している。
なお、syslogサーバーへの実行ログ保存にも対応しているため、WinActorの管理サーバーを利用していない場合でも、WinActor1台からの実行ログ保存を行えるとした。
このほか今回は、すでに対応しているInternet Explorer(IE)、Google Chromeに加え、Firefoxの操作を自動記録できるようにした。この機能を利用するには、別途、Firefox上でアドオン(拡張機能)のインストールが必要となる。
WinActorは年額サブスクリプション方式で提供され、年間ライセンス料は、ノードロックライセンスの場合、フル機能版が90万8000円、実行版が24万8000円。フローティングライセンスはオープン価格となる。
なおWinActorでは、ソフトウェアアーキテクチャをゼロから見直し、フルリメークしたメジャーバージョンアップ版「WinActor Ver.7.0」を2020年1月より販売しているが、NTT-ATでは今回のリリースについて、「利用者からの要望の多い機能をよりすぐり、もっとも利用者の多いVer.6シリーズの最終版であるWinActor Ver6.3に先行搭載した」と説明している。