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FRONTEO、独自開発人工知能エンジンの次世代版「KIBIT G2」と外部連携用APIを提供開始

 株式会社FRONTEOは5日、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を強化し、次世代版の「KIBIT G2」および外部システムとの連携を容易にするAPI「KIBIT-Connect」の提供を開始した。

 従来のKIBITエンジンは、解析の実行時、1つのサーバー上で形態素解析などの自然言語処理や、独自の機械学習アルゴリズム「Landscaping」による重み付けなどの処理を行ってきた。このため、従来のKIBITでの処理時間は、学習データや解析対象データの量とその設定、サーバー能力によって決定されていた。

 KIBIT G2では、複数サーバーでの並列処理が可能になることで、顧客の要望に応じたデータの総量や解析結果が必要となる程度によって、解析処理をフレキシブルに行うことが可能になり、並列化によるシステムの可用性も高めることができる。並列可能なサーバー数は原則無制限(システム環境による)で、データの割り振りは自動的に行われるため、解析担当者やシステム管理者の負荷も軽減できる。

 また、KIBIT G2では、個別の企業の解析案件に応じて、機械学習アルゴリズムのLandscapingのカスタマイズが可能になる。従来、解析精度向上のためのチューニングは、主に教師データの調整による重み付けの変化やキーワード登録の併用などによって行ってきたが、KIBIT G2では解析案件の特殊なケースに応じて、多品詞対応、類義語の拡張といったカスタマイズが可能となるほか、アルゴリズムに対して、解析のケースに応じた個別設定を行える。

 また、業務システムとの連携と外部開発パートナーによるAIアプリケーション開発を可能とするAPIのKIBIT-Connectを、有償での提供を開始。企業内のシステムとクラウド上でのKIBIT G2エンジンの連携により、文章データの登録や教師データの作成、解析結果となるスコアリングの提供など、KIBIT-Connectを通じたデータの収受がシームレスに行える。

 KIBIT-Connectの提供により、個社の業務用件に沿った業務システムにおけるKIBIT G2の解析データを効果的に活用するための受託開発、また外部のパートナーによるKIBIT G2エンジンを活用した新たなアプリケーションやシステム作りといった、多くのビジネスシーンにおいて実効性の高い人工知能の実装が可能になるとしている。

 KIBIT-Connectは、KIBIT G2エンジン提供とOEM提供(他社ソフトウェアへの組み込み)の2つのパターンで提供する。提供方法については、ユーザーの利用要件や環境に応じ、機能等に制限のないフルプラン(Full Plan)と、一部制約付きのライトプラン(Light Plan)の2種類を用意する。

 FRONTEOでは、KIBIT G2とKIBIT-Connectの提供を通じて、テキスト解析の目的とデータ総量に応じた解析処理の最適化を実現し、顧客の業務システムへの組み込みや、外部パートナーによる新たなAIソリューションの開発を促進することで、KIBITエンジンを核としたエコシステムの拡大を進めていくとしている。FRONTEOの人工知能製品へのKIBIT G2の搭載は、2018年度中に順次行っていく。

 また、11月16日には“使えるAI”の開発と提供を目指す「FRONTEO AI BizDevOps Lab.」を設立。課題の発見と解決策の立案から、実現可能なAIの運用設計に至るプロセスを最短で実現し、実効性の高いAIソリューションを共創する場として、外部の開発パートナーや顧客との連携・共生を強化していくとしている。