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MKI、FRONTEOのAIエンジン「KIBIT」を金融機関向けに販売

 三井情報株式会社(以下、MKI)と株式会社FRONTEOは29日、販売店契約を締結したと発表した。これに伴いMKIでは、金融機関を中心に、FRONTEOのAIエンジン「KIBIT(キビット)」を販売していくという。

 MKIでは、金融機関と顧客をつなぐタッチポイントとなるコールセンターシステムや営業店のIP電話をはじめ、音声録音装置、音声認識システムなどを数多くの金融機関に導入した実績を持つ。

 その金融機関では、近年、金融行政方針におけるフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の実現に向け、顧客対応に関する内部管理態勢の確立が求められるようになった。そのための作業の1つとして、金融商品販売時の応接記録、コールセンターにおける顧客応対模様の音声記録などの確認作業を行っているが、多くの場合は“人のみ”で実施されているため、大量の記録を網羅的に確認することが難しいほか、担当者によって判断のブレが発生するなどの課題があったという。

 そこでMKIは、こうした金融機関における課題解決を支援するため、同業界において数多くの活用実績のあるKIBITをソリューションのラインアップに加え、音声認識によるテキストデータ、VOCデータの活用高度化、顧客本位の業務運営をワンストップで支援する体制を整えるとした。

 KIBITは、テキスト解析において、キーワードだけに頼らず、専門家や勘の優れた人が備える“暗黙知”を再現した独自の機械学習アルゴリズムを用いており、高い自然言語処理技術を持つことに加えて、短い時間と少量の教師データで解析を行えるといった特徴がある。

 FRONTEOが4つの金融機関の協力を得て、2018年5月に取り組んだ金融庁の「FinTech 実証実験ハブ」においても、KIBITを活用した業務記録のチェック作業において「42%の時間短縮、正解検出数2倍、能力の標準化や高度化にも効果あり」との試験結果が得られたとのこと。

 FRONTEOは、このような金融機関向けの取り組みで蓄積したAI導入・運用のノウハウをMKIと共有しつつ、ビジネスの拡大をともに推進していく考えだ。