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設備投資の社内審査業務を効率化・平準化――、昭和電工が自然言語処理AIエンジン「KIBIT」を採用

 株式会社FRONTEOは6日、昭和電工株式会社が、FRONTEOの自然言語処理AIエンジン「KIBIT」を採用したと発表した。昭和電工では、生産設備などへの投資の社内審査にKIBITを利用し、業務の平準化と効率化を図るという。

 昭和電工は、生産設備などの新設、維持・更新投資を判断する際に、過去に行った投資判断における財務的投資効果や、安全・安定稼働など、多くの視点で審査を行っている。

 その中で、生産技術およびエンジニアリング上の妥当性の審査では、過去約20年間の累計2000件を超える審査で得られたノウハウを活用しているが、従来は、複数の文書データベース、文書ファイルからキーワード検索をしていたため、絞り込みが容易ではなかったという。また、類似性の判断においては審査員の経験に依存するところも大きく、蓄積されたデータを十分に活用できていなかったとのこと。

 そこで、AIを用いたデータベース検索システムの導入を検討。過去の設備投資案件の中から、審査の際に必要な類似案件をどれだけ正確に効率よく抽出できるかを検証するために、KIBITを用いて2018年12月より技術検証を実施した。

 具体的には、API経由でKIBITの機能を提供する「KIBIT-Connect」を利用して、昭和電工の投資審査案件データベースと連携させ、過去に蓄積された2000件を超える投資審査案件から1割強の案件を抽出して、テキスト記述部分を分析している。

 その結果、類似案件の検索から案件内容の閲覧までの所要時間を、従来の1/10近くに短縮でき、審査業務の効率化が可能になったとのこと。さらに、テスト結果の精査によって高い分析精度が確認され、知見を有する審査業務を、審査担当者の経験に依存することなく平準化できることもわかったとした。

 このほか、複数の類似案件を同時に抽出できることから、設備安全対策にかかわる知見の最大活用が可能になったとしている。

 昭和電工は、検証結果を受け、KIBITを設備投資審査で本格運用するとともに、生産現場の事故・異常情報にも応用展開することを検討するとのことだ。