ニュース

NTT Com、AIが質問の意味を理解して回答を探す「COTOHA Chat & FAQ」を提供開始

「COTOHA Chat & FAQ」サービス概要

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は31日、ウェブサイトの利用者が入力した質問に対して適切な回答を表示し、ユーザー自身で疑問を解決できるよう支援する、企業向けのAI(人工知能)サービス「Semantic Search Engine “COTOHA(コトハ) Chat & FAQ”(以下、COTOHA Chat & FAQ)」の提供を開始した。

 NTT Comでは、コンタクトセンターなどで自然な日本語の対話により顧客対応ができるAIサービス「Communication Engine “COTOHA”」を2016年10月から提供している。

 今回、このサービスに加え、ユーザーがチャットや検索窓などに入力した質問について、その意味を解析し、FAQのデータベースの中から求めている情報に最も近しいと思われる質問と回答を探し出して提示するサービス「COTOHA Chat & FAQ」の提供を開始する。

 「COTOHA Chat & FAQ」のエンジンは、キーワードマッチ方式と、AIが質問の意味を理解して検索する「意味検索(semantic search))を併用。AIには、世界350社以上に提供実績がある米Inbentaのエンジンを採り入れており、文章が不完全な場合や、表記のゆれがある場合でも文意を把握し、適切な回答を提示する。サービスは、日本語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、韓国語、中国語など、20カ国語以上の言語に対応する。

 例えば、ユーザーが検索ボックスに「犬と一緒に旅したい」と入力し、企業側が「犬」という単語が含まれた回答を用意していなくても、最も近しいものとして「ペット連れの旅行」に関する回答を提示することができる。これは、「犬」が「ペット」としての意味も持っていることを理解していることで実現できるという。

 クラウドサービス(SaaS)として提供するため、導入する際の設備投資が不要で、最短約1ヵ月から導入が可能。また、利用にあたって必要となるFAQについて、既にデータベースを保有している場合には、そのデータをサービスに取り込むことができ、新たにFAQを準備したり、既存のFAQにタグ情報などのメタデータを追加する必要がない。

 また、導入企業は、管理・分析用のウェブサイト上から、どのような内容が何回検索されているかや、提示した回答に対して「役に立った」と評価された率(解決率)などの情報を確認できる。異なる文章で入力された同じ趣旨の質問を自動でグルーピングして、解決できなかった順に一覧表示も可能。これらの情報を活用して、FAQの追加や修正を行っていくことで、自己解決率の向上が期待できる。

 料金は要問い合わせ。NTT Comでは、自社におけるサービスの先行利用で培ったノウハウに基づき、企業顧客が「COTOHA Chat & FAQ」を導入あるいは運用する際のサポートを行うオプションサービスを2017年夏から提供する予定。また、サービスをNTT ComのVPN上でセキュアに利用できるプランや、NTTグループのAI関連技術「corevo」と組み合わせた言語処理能力の強化などの検討を進めていく。