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AWSジャパン長崎社長が示した、クラウド移行を成功させる5つのガイド

AWS Summit Tokyo 2018 基調講演レポート

AWS Support

4.AWS Support

ユーザー自身も気づかなかった課題を浮かび上がらせる

 AWSは最上位の「エンタープライズサポートプラン」をはじめ、いくつかのサポートプログラムを用意しているが、今回、長崎社長がフォーカスしたのは「AWS Trusted Advisor」だ。これは「ビジネスサポートプラン」「エンタープライズサポートプラン」を受けているユーザーが利用できるサービスで

・コスト最適化
・パフォーマンス
・セキュリティ
・耐障害性
・サービスの制限

という5つの視点から、ユーザーのAWS環境を自動で精査する「極めてシンプルなサポートプログラム」(長崎社長)だといえる。

予算や規模にあわせて選択することができるAWSのサポートプラン。最上位は「エンタープライズサポートプログラム」

 国内ユーザーの事例としては千趣会のコメントが紹介されており、AWSのサポート体制が充実していたからこそ、社内で迅速にAWSの利用が定着したと評価している。

AWS Migration Acceleration Program

5.AWS Migration Acceleration Program

クラウド移行のプロジェクトマネジメントを提供する

 長崎社長が最後に紹介した5つめのガイドは「AWS Migration Acceleration Program(MAP)」、名前の通り、個々のユーザーの状況に最適化されたクラウド移行を支援するプログラムだ。

 「クラウドへの移行はテクノロジの視点だけではうまくいかない。ビジネスとテクノロジの双方が密接に絡むことではじめて成功への道筋が開ける」(長崎社長)という考えのもと、MAPでは以下のように6つの視点を備えたアセスメントを実行する。

・ビジネス
・人材
・ガバナンス
・プラットフォーム
・セキュリティ
・オペレーション

 この6つのポイントに沿って現状の課題をそれぞれに洗い出し、ビジネスとテクノロジの両サイドから丁寧に棚卸しすることで、個々の企業にとって最適なクラウドジャーニーを提供するとしている。

 プロジェクトマネジメントのプロセスとしては、まずAWS側が顧客のビジネスを理解した後、アセスメント方針を作成、双方で協力しながら移行計画立案を行い、実際の移行作業へと入る。

 なお、移行にあたっては「多くのお客様から頂いた要望をもとに開発した、移行作業を自動化させるツールやサービス」(長崎社長)を提供しており、例えばサーバー移行なら「AWS Server Migration Service」、データベース移行なら「AWS Database Migration Service」、データ移行なら「AWS Snowball」などが用意されている。

クラウド移行をさらに加速するためのサービス

 長崎社長は5つの移行支援ガイドを紹介後、クラウド移行をさらに加速するためのAWSのサービスとして、「Amazon Elastic Files Service(EFS)」を7月から東京リージョンでサポートすることを発表している。

 EFSは複数のEC2インスタンスが同時にマウントできる共有ファイルストレージを提供するもので、オンデマンドでスケーラブルに伸縮でき、さらにAWSクラウドサービスだけでなく、VPCで接続されるオンプレミス環境でもサポートされるのが特徴だ。

 複数のEC2インスタンスに分散されたアプリケーションから同時にアクセスしたい場合などに有効で、前もってストレージをプロビジョニングする必要も一切ない。

 「ペタバイトまでスケールでき、使用した分だけを支払うシンプルな価格体系。このサービスを東京リージョンで提供できることを非常にうれしく思う」(長崎社長)。

7月からの東京リージョンサポートが決定した「Amazon Elastic File Syatem」。複数のEC2インスタンスから共通の単一ストレージにアクセス可能になる