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東京電力、グループ全体のデータ連携に向け「Denodo Platform」を導入
2025年7月4日 16:33
Denodo Technologies株式会社(以下、Denodo)は3日、東京電力ホールディングス株式会社(以下、東京電力)は3日、Denodoのデータ仮想化ソリューション「Denodo Platform」を導入したと発表した。法令やセキュリティ要件に準拠しつつ、最短3営業日でデータ収集ができる環境を構築し、データを軸とした業務改革を推進。2024年10月に本格稼働を開始した。
ホールディングス制を採る東京電力では、各事業会社が担当業務ごとにシステムを保有し、データを活用している。一方で、部門や会社の垣根を越えてデータ利用をしたいというニーズも増加してきており、セキュアかつ簡便に横断的なデータ利用ができる環境の構築が不可欠だったという。必要な手続きを経ればデータ取得は可能だが、申請してからデータ取得までに2カ月以上も要するなどのケースもあり、データ利用が非常に難しい状況が続いていた。
また、データ連携を実現するにも「法令やセキュリティ要件へ準拠した構成を個々に構築しなくてはならず都度システム改修が必要」「各システム間でデータの粒度や構造が異なり、データ変換が必要」など、多くの課題をクリアする必要があった。
東京電力ではこうした課題を解決するため、2023年9月頃から他社の取り組みやベンダーの情報調査を開始。Denodo Platformを知り、仮想化によるデータ連携の検討を進め、Denodo PlatformのPoCを実施し、その有効性を検証した。
「5つのシステムをつないで、法人と個人の顧客データを統合して活用するなど、複数のユースケースに取り組んだ。結果は非常に満足のいくものだった」と担当者は評価。また、「既存のシステム構成を大きく変更することなくデータの連携が実現可能」「既存システムとの親和性の高さ」「システム構成の大幅な変更が回避できる」などの点も評価され、Denodo Platformの採用に至ったという。
Denodo Platformの導入により、データ取得にかかっていた工数は最大で8割削減。従来、2カ月以上かかっていたデータ取得が、最短3営業日、平均5営業日で取得可能となった。データ連携に必要な個々のシステム改修や手続きが不要となったことで、必要な時に必要なデータを取得・加工・分析できる環境が整い、現場でのデータ連携にかかる負担が軽減され、収集元システムの保守対応の生産性も向上しているという。
現在、8つのシステムと連携しているが、Denodo Platformについて‟非常に面白い仕組み”として評価しているところも多く、今後はさらに接続する対象を増やしていく予定としている。
現在、東京電力では、Denodo Platformをさらに活用すべく、基幹業務への展開や、SQL生成への生成AI活用などサービスレベルの向上といった施策を進行中。社内ではDXの機運も高まっており、Denodo Platformをきっかけに全社でのデータ活用を拡大していく意向が高まっているようだとして、誰もが安全に、すぐに必要なデータへアクセスできる環境の実現に向けて、Denodo Platformの活用が東京電力の取り組みを加速させていくとしている。