大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ

日本マイクロソフト、教育・研究分野でのクラウド導入を加速 「ガバメントレディクラウド元年」を掲げる

Azureへの評価が高まる背景とは?

 教育・研究分野におけるこうした課題を解決する方策として、クラウドに対する期待が高まっているなかで、Microsoft Azureならではの特徴が評価されはじめているという。

 日本マイクロソフトの織田執行役員常務は、「Microsoft Azureには、教育・研究に革新を生み出す他社にないテクノロジー群や、安心・安全なセキュリティの実現、ほかのクラウドサービスやスパコンと比較しても高い性能を実現していることに対して、評価が集まっている」とする。

 具体的には、以下のような点だ。

・Azure Machine Learningによって、分類、異常値検知など25種類の標準アルゴリズムの提供が可能であること
・Cognitive Serviceとして音声認識や顔認識、機械翻訳など20以上のAPIを提供していること
・SQL Server 2016 R Servicesなどにより、並列処理による大容量データの高速処理を実現していること
・Power BIによるデータの可視化が可能であること
・何百万ものデバイスからのデータ分析を可能にするAzure IoT Suiteの提供
・ネイティブ形式のままデータを格納できる無制限のデータストレージ、Azure Data Lake Storeの提供

 加えて、国内2カ所をはじめとする全世界15リージョンのデータセンター基盤、インフィニバンド搭載の仮想マシンによる32Gbit/sの高速ネットワーク処理、GPU搭載の仮想マシンのTesla M60/K80による高速演算処理を実現、といった点も評価されている。

 このほか、日本で初めて、日本セキュリティ監査協会JASA-クラウドセキュリティ推進協議会が制定した「クラウド情報セキュリティ監査制度」において、クラウドセキュリティ(CS)ゴールドマークを取得。日本の法律に準拠した唯一のパブリッククラウドであるという点も、教育・研究分野においてMicrosoft Azureに注目が集まっている理由のひとつとなっているという。