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豊橋技術科学大学とMS、BBTが協働~AI・機械学習による多言語コミュニケーション実現に向け

 国立大学法人豊橋技術科学大学、日本マイクロソフト株式会社、株式会社ブロードバンドタワー(以下、BBT)は21日、AI・機械学習による多言語コミュニケーションの実現に向けて協働すると発表した。

 3者が目指しているのは、実社会における多用なシーンでのAI・機械学習の活用促進で、機械学習の品質向上に必要となる情報の収集やビッグデータの構築を協働で推進する。具体的な活用例として挙げられているのは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックにおいて大幅な増加が見込まれる海外からの来訪者に向け、観光情報や医療、災害などのさまざまな情報を、多言語かつリアルタイムに提供するための翻訳サービス。これを、インターネット上の各種サービスで利用できるようにすることを目指すという。

 このため、さまざまな業種の多くの組織から協力を得ながらビッグデータを構築し、データ収集と分析を行うことで、翻訳サービス品質の向上を図る考え。また、分野ごとに最適化された質の高いサービスの構築を、最新のAI・機械学習により実現する。最初に取り組む機械翻訳では、スポーツ、医療などそれぞれの分野、言語に最適化された質の高いリアルタイム多言語コミュニケーション基盤を構築するとのこと。

 そして、観光情報の発信から、ソーシャルメディア、コンタクトセンターなどさまざまなサービスを海外からの来訪者に提供する。このほか、言語にとらわれないリアルタイム分析による新ビジネスの開発など、地域経済の活性化にも貢献するとした。

 なお、AI・機械学習でもっとも重要な要素となるデータには、企業秘密、個人のプライバシーなど、収集においてさまざまな配慮が求められる。このため豊橋技術科学大学は、分野ごとの重要語句の抽出や、目的に応じたデータの分類、匿名化、非識別化により、安全なデータ活用を実現するという。また、AI・機械学習により実現されるサービス利用者との協働フレームワークの構築を実施する。

 また日本マイクロソフトは、AI・機械学習のテクノロジーに加え、膨大なデータの安全な管理・活用のために、クラウド基盤のMicrosoft Azureを提供する。

 ブロードバンドタワーは、IoT基盤となるサービスの構築、またAI・機械学習を活用した事業構築のために、新会社エーアイスクエアを設立し実際の社会インフラ、ビジネスへの導入を行うとしている。