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クラウドDWHで急成長 大型IPOのSnowflake

Snowflakeの強み

 Snowflakeは、自社のアーキテクチャを「ストレージ、コンピュート、クラウドサービスの3つの独立したスケーラブルなレイヤーで構成される」と説明する。つまり、ストレージと計算処理を分離して別々に拡張できる仕組みだ。これによって、ユーザーは任意のパブリッククラウド(AWS、Azure、GCPの3大クラウドに対応)をストレージに選択できるという。

 Snowflakeの技術を解説したForbesによると、「クラスタ内の各ノードがデータセットの一部をローカルに保存する大規模並列処理(MPP)を使用してクエリを処理することで、仮想ストレージは独立してストレージ層にアクセスし、計算能力の競合を防ぐ」という。その結果、「クラスタの再構成に多くの時間を費やされる競合製品」よりも高速で動作する。

 また、「競合他社は、コンピュートとストレージを結合し、最大のワークロードに基づいてサイズと支払いを顧客に要求している」のに対し、実行ベースの使用量に課金するため、コストパフォーマンスで有利という。

 もうひとつは、リレーショナル・データベースを基盤に、「Hadoop上の構築ではなく、クラウドに最適化されたアーキテクチャを持つ新しいSQLデータベースエンジン」を使用していることだ。企業は、既存のRDBツールを生かしながら、さまざまな場所に蓄積してきたデータをクラウドに移行できるという。

 Snowflakeの目論見書では「多くの組織が、データウェアハウスとnoSQLツールを、Snowflake中心に構築されたシンプルなアーキテクチャに置き換えている」と述べている。こうしたこともあって、2020年7月の1日平均のクエリ処理は5億700万件で前年同期(2億5400万件)の2倍になっているという。

 この動きを推進しているのは、やはり企業のAIへの対応だ。