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Qlik、Qlik Talend Cloudの新機能としてデータがAIに適合しているかを評価する「Trust Score for AI」を提供
2025年7月15日 08:30
米Qlikは現地時間1日、組織がAIモデルを利用開始する前に、データがAIに真に適合しているかを評価する「Qlik Trust Score for AI」の一般提供開始を発表した。
Qlikでは、AIの導入が加速する中、AIモデルに供給するデータが信頼するに足るか、また目的に沿っているかを十分に把握できていないという根本的な盲点を、多くの企業が抱えていると説明。Qlik Trust Score for AIは、信頼性が損なわれている箇所をユーザーに端的に示す単一のスコアによってこの問題を解決し、バイアスやドリフト、誤った結果を防ぐとしている。
Qlik Trust Score for AIでは、Qlik独自のTrust Scoreのフレームワークを基盤に、AI 活用に特化した、「多様性」「適時性」「正確性」の3つの新たな評価軸を導入した。
多様性は、データの代表性と均衡性を測定し、AIモデルの学習時におけるバイアスを低減する。適時性は、AIモデルに取り込まれるデータの鮮度を評価し、意思決定の精度向上に必要な関連性を維持する。正確性は、ユーザーの定めた業務ルールや信頼性の品質基準を逸脱する値を特定し、AIに対する組織の信頼低下を防ぐ。
また、Discoverability(検索性)やUsage(使用状況)など既存の指標と組み合わせて、Qlik Trust Score for AIはAI学習、RAG パイプライン、インテリジェントオートメーションで使用するデータセットを検証する実用的な方法を提供する。今後、Security(セキュリティ)やLLM Readiness(LLM対応度)の指標も追加する予定としている。
AI活用におけるデータ品質とガバナンスのビジョンの一環としてQlikは、Qlik Trust Scoreの履歴管理を含む追加機能を提供する。これによりユーザーは、時間の経過に伴うトレンドを追跡し、信頼度の変動とモデルのドリフトやパフォーマンス低下などの連鎖的影響との関連性を把握できる。
さらにQlikは、Qlik Talend Cloud内でのAIネイティブなデータスチュワードシップ体験に向けた先行利用プログラムを開始すると発表。これは、データライフサイクルの初期段階での問題検出と修正を目指したもので、今秋提供開始予定の同機能は、自動ルール、人が介在するワークフロー、プラットフォーム全体のガバナンスを連携し、データチームとAI担当者がデータ品質の改善により、効果的に協働できるようになるとしている。