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DaaSを進めるMicrosoft 自社純正Windows仮想デスクトップを発表

エコシステムの再編か

 Microsoftの戦略面は、どうだろう――。テクノロジーブログBrianMadden.comのJack Madden氏は、同社の狙いを、やはりAzureへの取り込みとみる。

 Madden氏は、Windows 10 E3/E5(Microsoft 365含む)ユーザーへのWVD無料提供は他ベンダーに真似のできないことだが、それでMicrosoftが得るAzure仮想マシンの使用料は大したものではないと計算する。だがこれは「デスクトップの全てのワークロードから、利用をAzureに移行させられると考えれば、Microsoftにとって大きな取引」だと言う。

 同時に注目されるのがパートナーとの関係だ。MicrosoftはWVDによって、従来はパートナーの領分だった仮想デスクトップサービスに進出する。ビジネスを奪うのかという疑問が出てくる。

 Microsoftはこの点について、WVDは「ユーザーのニーズに応えて拡張可能なプラットフォーム」であり、パートナーは付加価値を提供できると説明。Citrixのほか、CloudJumper、FSLogix、Lakeside SoftwareなどのWVDパートナーとして協力すると発表している。

 Madden氏も「(WVDには)プロファイル管理や、OutlookやOneDriveのキャッシュ管理などの面でいくつかの穴があるが、それはパートナーが参入する場所だ」と指摘している。

 Microsoftは昨年、Windows 10の仮想マシンをAzureまたは認定ホスティングプロバイダー上のマルチテナント環境で実行できるようライセンスを改訂。Windows 10仮想化権を含むサブスクリプションをCSP(Cloud Solution Provider)パートナー経由で販売開始している。今回の発表とセットになるもののようだ。全体としては、クラウドのエコシステム構築を進めているということだろう。