ランキングで振り返る、エンタープライズ/クラウド業界動向(1~4月)
■【1月】コンテナ型データセンター普及期へ
1位はコンテナ型データセンターの話題。2008年にサンが「Project Blackbox」を発表してから3年、実際にコンテナ型データセンターが各地で建設・検討され始めるなど、一気に具体的なトレンドとなっていった。そのサンを統合したこともあって注目を集めていたオラクルの記事が4/6/8位に。
もう1つ、以降のトレンドとなっていくのが、9位にランクインしたAndroidを狙うウイルスの話題だ。ウイルスの数こそまだ少ないが、Androidが普及すればするほど犯罪者にとっての魅力は高まる。スマートフォン向けセキュリティやモバイルデバイス管理(MDM)といった対策製品がこれ以降、矢継ぎ早にリリースされていく。
■【2月】Windows 7/Server 2008 R2の話題が上位独占
前評判の高かったWindows 7、弊誌の連載でもアクセスを集めたServer 2008 R2の話題が上位3位を占めた。マイクロソフトはこの時期に「日本マイクロソフト」に社名を変更、その記事が18位に入っており、製品・組織さまざまな面で話題となった。
また、日本HPの新本社ビルを事前公開した際の記事が7位にランクイン。江東区の大島というIT系企業としては珍しい立地の新本社だが、市ヶ谷の旧本社を始め、荻窪、高井戸、新宿の各事業所を統合する規模の大きな移転計画だっただけに、大きな注目を集めていた。
■【3月】震災発生で広がる無償支援の輪
3.11以降、数多くの無償支援が企業から発表された。特に活躍したのがクラウドで、それまで心配されていた可用性の問題を、一気に払しょくするきっかけにもなった。そのほか東京電力や義援金の話題などトップ10の多くを震災関連の記事が占めた。
それ以外では、4位にOracleのItanium対応打ち切り、6位にIntelによるMcAfee買収の記事がランクイン。ランク外だが13位には米Amazonの東京データセンター開設、15位には日立のHDD事業売却の記事も入り、大きな企業動向のニュースが多かった。
■【4月】クラウドサービス「Office 365」の記事が1位に
Office 365のパブリックベータ開始が1位に入ったほか、「Visual Studio LightSwitch」が4位に、「Windows Home Server 2011」が5位に入るなど、マイクロソフトの次期製品、新製品に関連した記事が多くランクイン。OSやOfficeはもちろんのこと、クラウドサービスや開発といった分野でも、同社の動向には1年を通して関心が集まっている。
ユニークなところでは、記録データを無効化するセキュリティ機能を備えた、東芝のHDDの記事が3位にランクイン。セキュリティ、コンプライアンスといった話題も年間を通して関心が集まっているジャンルの1つといえるだろう。
また、OracleのItaniumサポート打ち切りもあって、データベースの“オープン化”を進める日本HPの取り組みにも関心が集まった。