富士通、Windows 7搭載の法人向けスレートPC「STYLISTIC Q550」


 富士通株式会社は24日、法人向けスレートPC「STYLISTIC Q550シリーズ」を発表した。4月上旬より順次全世界へ提供する。

 STYLISTIC Q550シリーズは、法人向けの10.1型スレートPC。法人向けでは運用性・セキュリティの要望が強いため、優位性のある「Windows」を採用したと訴求。既存の企業システムの設定を変更することなく、高いセキュリティを維持したままスレートPCが利用できる。

STYLISTIC Q550シリーズ裏面にはラバー塗装

直感的な操作×使いやすいデザイン

 特徴は「ユーザビリティ」「モバイル性」「セキュリティ・メンテナンス性」の3点。

 「ユーザビリティ」では、Windowsタッチ×専用アプリで富士通ならではの快適な操作感を実現したという。ランチャーホーム画面からはメール、スケジュールなどが簡単に確認でき、アプリランチャー画面への切り替えも軽快。縦横の画面ローテーションにも対応する。入力方式として指とタッチペンの両方をサポートし、裏面には滑りにくいラバー塗装を施した。

 「モバイル性」では、薄さ約16.2mm、重さ約690g(標準バッテリ使用時)の軽量に加え、高パフォーマンス・低消費電力の次世代Atom(コードネーム:Oak Trail)を搭載し、富士通独自の電源制御機能を組み合わせることで、約10時間の長時間駆動(大容量バッテリ使用時)を実現。IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、無線WAN、Bluetooth対応で無線通信を充実させるとともに、クレードルとワイヤレスキーボードを用意してデスク環境での利用にも配慮した。

 「セキュリティ・メンテナンス性」では、指紋認証、スマートカード、セキュリティチップ、暗号化機能付きSSDで高いセキュリティを実現。着脱式バッテリを採用することでメンテナンス性を高めた。

“いつでも、どこでも”を可能にする高いモバイル性高度なセキュリティ機能とメンテナンス性

 主なスペックは、10.1型LEDバックライト付きディスプレイ(1280×720ドット)、Windows 7 Professional/Home Premium、Atom、2GBメモリ、暗号化機能付きSSD 30GB/62GB、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、無線WAN、Bluetooth、HDMI出力端子、USB 2.0×1ポート、SDカードスロット、内蔵カメラ(表面:約30万画素、裏面:約130万画素)など。入力方式は「指のみ」と「指+ペン」が選べる。

 価格は、ペンなしモデルが8万9800円(税別)から、ペンありモデルが9万9800円(同)から。2013年までの3年間に全世界で150万台の販売を目指す。

左から、インテル取締役副社長の宗像義恵氏、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏、富士通執行役員副社長の佐相秀幸氏、富士通執行役員常務の大谷信雄氏、富士通執行役員の齋藤邦彰氏

 富士通 執行役員の齋藤邦彰氏は「当社は1991年から法人向けにタブレットPCを開発し、全世界で約100万台以上の出荷実績がある。新製品もこの経験から高い完成度を実現した」とアピール。「今後、クラウドサービスメニューを拡充し、製品とサービスのトータルソリューションとして提供していく。また、引き取り・訪問修理、最長5年の保守対応、ユーザーの導入規模に応じたマスタの大量展開が可能なほか、法人でのライフサイクル(調達~導入~運用・保守)にわたるLCMサービスも提供する」と、保守面でも競合製品を圧倒する考えを示した。

 なお、発表会には、日本マイクロソフトの樋口社長とインテルの宗像副社長も登壇。樋口社長は「運用性・セキュリティの観点から法人が待ちに待ったWindows搭載のスレートPC」と語り、宗像副社長は「インターネットにつながるデバイスは、2015年に150億台、2030年に300億台になるといわれ、今後もPCとは別のプラットフォームがたくさん市場に出てくる。次世代Atomは、そういった多彩なデバイスでも同様の操作を実現しようという“コンピュート・コンティニアム”という新ビジョンを具現化する製品」と語った。

関連情報
(川島 弘之)
2011/2/24 13:40