日本オラクル、リアルタイム・データレプリケーションを実現する「GoldenGate 11g」
日本オラクル株式会社は25日、複数のデータベース間で緊密なデータ連携・統合を実現する「Oracle GoldenGate 11g」の提供を開始した。
GoldenGate 11gは、米Oracleが2009年7月に買収したGoldenGate Softwareの製品をベースに開発したもので、新版からは、Oracle独自の開発メソドロジーに沿って開発されているという。自社のデータベース同士の連携・統合はもちろん、MicrosoftのSQL Server、IBMのDB2など、さまざまなベンダーのデータベース製品に対応しており、それぞれの製品のバージョンが異なっていても、双方向同期や、片方向データ複製が可能となっている。
また、障害からの復旧や処理の中断に対しても、高い信頼性を提供している。この製品はGoldenGate Softwareの時代から、すでに北米を中心に多数の実績を誇っており、全世界で500社以上、4000システム以上に導入されているが、日本での本格的な展開は今回が初めてとなる。
日本オラクル 常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部の三澤智光氏 |
日本オラクル 常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部の三澤智光氏は、「GoldenGate 11gに競合は存在しない。これほど完成度が高いデータレプリケーションツールは、ほかにはない」と語り、製品の品質に太鼓判を押す。
GoldenGate 11gのニーズとして三澤氏は、リアルタイム情報連携、BIなどと連携したリアルタイム分析、データベース負荷軽減のためのシステム拡張、データベースの移行といったケースを挙げている。将来的にクラウド上のデータベースサービスなどを柔軟に利用する企業にとって、GoldenGate 11gのような柔軟にデータを連携・統合するツールが求められることになるという。
GoldenGateによるデータベース移行の全体像 |
なお日本オラクルでは、国内での本格的な展開を前に、いくつかの企業においてパイロット・プロジェクトを展開したという。ある企業では、システムの移行に伴う長時間のデータベースのダウンタイムを、ビジネスに多大な影響があるため最小限に抑えたいというニーズをもっていたという。そこで、最初にSplitされた静止点からExport/Importでオフラインコピーを実施し、次にGoldenGate 11gによってSQLを発行せずに更新をキャプチャすることで、現行データベースへの影響を最小限に抑えた。これによって、データベースの移行に伴うダウンタイムは、5分程度であったという。
GoldeGate 11gの価格は、3万8000円(税別)/指名ユーザー、あるいは190万2200円/プロセッサ。また、企業全体へのGoldenGate実装の容易な管理を実現するソリューション「Oracle Management Pack for Oracle GoldenGate」も提供され、こちらの価格は、7600円(税別)/指名ユーザー、あるいは38万400円(税別)/プロセッサとなっている。